牧歌的とは、農場や農園の、ゆったりとした時間が流れていく様子を思わせる言葉です。
時には嵐や大雨など、自然の驚異などを感じさせるものも含みます。
農業を中心とした、自然と近い田舎生活のことを指します。
牧歌は、英語では、pastoral(パストラル)と呼ばれ、西洋では田園を舞台にした多くの芸術作品のことを指します。
「牧歌的」の意味
牧歌というのは、大きく分けて2つの意味があるようです。
1.牧童が、農作業をしながら歌う歌のこと。
2.農場や田園などを舞台にした文学や詩歌、絵画、音楽のこと全般。
1の「農作業の時に歌う歌」についてですが、日本にも存在します。
ただ、それらを「牧歌」という呼び方はしていないようです。
日本では、民謡として歌われたり「労働歌」「労作歌」というような呼び方をします。
2の「農場や田園を舞台にした芸術作品」については、西洋には紀元前から存在します。
パストラルという名前の文学、絵画、歌劇、交響曲などです。
「牧歌的」の使い方
「君の小説は牧歌的な匂いがする。」
のどかな農園や田舎、田んぼなどが良く出てくる。
「あの作曲家の楽曲は、牧歌的なものが多い。」
のんびりとした曲の中に嵐が来たり、一日の終わりを感じさせる寂しさや郷愁を含ませた楽曲のこと。
「ここの装飾は、牧歌的なイメージで作ってみるといい。」
イベントでの装飾など、西洋の農場のような荷車、藁などの小道具が似合うということ。
「牧歌(パストラル)」という名前の芸術作品
pastoralという言葉で調べてみると、実にたくさんの西洋の芸術作品がヒットします。
田園を舞台にしてかかれたものは、すべて「牧歌的」という解釈をして良いのではないかと思います。
西洋における「pastoral」という芸術のジャンルは、古くから存在していたようです。
紀元前3世紀のアレクサンドリアの詩人テオクリトスが確立していたという記事もありました。
日本でも「牧歌」という名前の小説や詩がいくつかあります。
代表的なものでは、昭和11年に書かれた川端康成の「牧歌」があります。
「牧歌的」まとめ
牧歌的とは、のどかな農場や田園をイメージした、少し郷愁を感じさせるようなイメージ。
人によっては西洋の田園のイメージのほうが強く感じられるかもしれません。
元々芸術作品のジャンルとして作られた言葉であるため、芸術作品を語る時に良く使われる言葉です。
普段の生活にはあまり使われない言葉ですが、何か田舎風の芸術作品に触れたときに「牧歌的」と例えてみるといいでしょう。