「欲張り」は、欲が深いことです。
また、その人を指します。
「欲張りを言う」「欲張りな人」のように使います。
「貪欲」は、極めて欲が深いことです。
欲しがって飽くことを知らないことをいいます。
古くは「とんよく」と発音しました。
「貪欲に知識を吸収した」のように使います。
「強欲」は、非常に欲が深いことです。
「強欲非道」「強欲な高利貸し」のように使います。
「欲張り」の意味
「欲張り」は、欲が深いことです。
また、その人を指します。
「欲張りな人」「分けろ!欲張るな!」のように使います。
「欲」の字義(漢字の意味)は、「ほっする」「~とほっす・助字として使われる場合」「よく・欲望」「梵語rajasの訳」です。
「ほっする」には、「むさぼる」「願う」「望む」という要素を含みます。
「欲」の解字(漢字の解説)では、「欲」は「欠+谷」で構成されます。
「谷」の部分は、「容」に通じ、「物を入れる」という意味です。
「欠」の部分は、人が口を開けた形です。
もともと、「口に入れようとするさま」を表し、転じて「ほしい」を意味するようになりました。
英訳される場合、「Greed/ greediness/ avarice 」で訳されます。
「貪欲」の意味
「貪欲」は、自己の欲するものに執着して飽くことを知らないことです。
非常に欲の深いことをいいます。
仏教では三毒・十悪の一つです。
「金銭に貪欲」「貪欲に知識を吸収する」「貪欲に駆り立てられる」「名誉に対して貪欲だ」のように使います。
「どんよく」の「どん」は慣用音です。
古くは「とんよく」と発音しました。
「貪」の字義(漢字の意味)は、「まずしい」「まずしい人」「すくない」「足りない」という意味です。
「まずしい」という意味は、「財産が乏しいこと」「学問が乏しいこと」という要素を含みます。
「貧」の解字(漢字の解説)では、「貧」は「貝+分」で構成されます。
「分」の部分は、「わける」という意味です。
「財産が分散して少なくなること」「まずしい」を意味します。
「貪欲」では、「貧」の「財産や知識が乏しい」という意味が使われています。
英訳する場合、「Greed/ avarice 」で訳します。
「強欲」の意味
「強欲」は、むさぼって飽きることを知らない欲心のことです。
「強欲老婆」「高利貸は非道にも強欲だ」のように使います。
「強」の字義(漢字の意味)の主なものは、「つよい」「つよまる」「四十歳・盛んな歳の意味」「余りがあること」です。
「つよい」という意味の場合、「力がある」「さかん」「丈夫である」「はげしい」「堅い」という要素が含まれています。
「強」の解字(漢字の解説)では、「強」は「虫+彊」で構成されます。
「彊・キョウ」は、「つよい」「かたい」という意味です。
「本来、かたい殻を持った虫・こくぞう虫」を意味しましたが、後に「彊・キョウ」が持つ「つよい」「かたい」の意味に用いられるようになりました。
「強欲」の「強」は、「激しい」という意味で使用されています。
英訳される場合、「Greediness/ avarice 」で訳されます
「欲張り」は欲が深いこと、「貪欲」は執着して飽くことを知らないこと、「強欲」はむさぼって飽きることを知らない欲心のこと
「欲張り」「貪欲」「強欲」「欲深」は、類語です。
共通する意味は、「欲が深いこと。
またその人」です。
「欲張り」は、欲が深いことです。
「貪欲」は、自己の欲するものに執着して飽くことを知らないことです。
「強欲」は、むさぼって飽きることを知らない欲心のことです。
「欲張りな奴」「この欲張りめ!」のように使います。
「貪欲な奴」「強欲に借金を取り立てる」「貪欲に知識を吸収する」のように使います。
「強欲な奴」「この強欲め!」のように使います。
「欲深な奴」「この欲深め!」のように使います。
「欲張り」は、一番一般的に用いられています。
「欲深」は、形容詞の「欲深い」でも用いられています。
「強欲」「欲張り」「欲深」は、多くの場合悪い意味で使われています。
「貪欲」は、良い意味で使われることもあります。