武(む)は「武の複数ある音読みの一つのこと」。
「武蔵野」と言い換えると分かりやすい。
武(ぶ)は「武の音読みのもう一つのこと」。
「武士」と言うと分かりやすい。
「む」と「ぶ」はどちらも「武」と言う漢字の音読みです。
このような「音」が複数ある例は漢字には多くあり、また、「おや、したしい」のように「訓」が複数ある漢字も多く有ります。
「武(む)」は「む」の元字
「武(む)」と読む場合は数えるほどしかありません。
例えば「武者震い、武者修行、武者、武蔵野、宮本武蔵、武蔵野線」などになります。
ほとんど「ぶ」または訓読みの「たけ」と読むことになります。
また、「武(む)」と言う漢字は草書で書くと「む」のような字体に崩され、ひらがなの「む」と言う字の元になる字になります。
ほとんどの音読みが「武(ぶ)」
「武(ぶ)」はほとんどの音読みに該当します。
「武(ぶ)」は「戈(ほこ)を持ち歩く」と言う原義があり、「戦や武器」に関係した漢字です。
「武士、武器、武術、武芸、文武両道、武道、武勇伝、武官、演武、武骨者、武装集団、武運長久」などと使います。
昔の言葉に「武士は食わねど高楊枝」「武士は相見互い」などがありました。
「武(む)」と「武(ぶ)」の発音
「武(む)」と「武(ぶ)」の発音は中国では「ウー」、ベトナムでは「ヴ」と言いますから、「む、ぶ」も非常に近い発音になります。
同じ「ウ段」の言葉です。
「武」を訓読みで「たけ」と読むのは「たけだけしい」と言う訓読みから来ていると思われます。
「たけだけしい」は「猛々しい」と書き勇ましいこと、強いことなどの意味ですから、「戦や武器」に関係している「武」に有った言葉です。
「武(む)」と「武(ぶ)」とは
「武(む)」は中国語の「ウー」や漢字圏のベトナム語の「ヴ」と読むことから日本では同じウ段の「む」となったと推定されます。
「武者、武蔵野、武蔵」などと使います。
また、平仮名の「む」の元となっている漢字でもあります。
「武(ぶ)」も同様に「ぶ」と発音されるようになったのかも知れません。
「武士、武器、武術、武道」などと使います。