言(ごん)は「中国から先に伝わった呉音の音のこと」。

「遺言」と言い換えると分かりやすい。

言(げん)は「中国から後に伝わった漢音の音のこと」。

「言論」と言うと分かりやすい。

現在では漢音の音読みが普通ですが、最初に伝わった呉音の音読みが日本語には残っているということで、漢字には呉音と漢音などが存在し、特に呉音は仏教用語に残っています。

「言(ごん)」は呉音

「言(ごん)」は日本に先に伝わった漢字の呉音の音になります。

漢音が伝わる以前は呉音が普通の音であったので、仏教でも呉音が使われていました。

漢音が伝わった後でも仏教用語は呉音のままで今日まで来ているのです。

「雑言、大納言、遺言、過言、真言宗、五言絶句、七言絶句、伝言、無言、他言無用」などは呉音読みの「ごん」と発音する言葉です。

「言(げん)」は漢音

「言(げん)」は後から日本に伝わった漢音の音の読みになります。

現代では「言=げん」と読むことが普通ですから、多くの言葉があります。

「言論の自由、発言を求める、極言だ、断言する、不言実行、狂言を演じる、苦言を呈する、方言、格言諺、助言する、金言、前言を翻す、名言を残す、流言飛語、暴言を吐く」などと使います。

「言」の音には呉音と漢音がある

「言」に限らず多くの漢字には呉音、漢音、稀に唐音などがあります。

呉音は大陸の南で使われたと言われ、漢音は唐の時代に正統派の発音として使われました。

呉音は非正統派とされ訛のある地方の発音とされたのです。

仏典はほとんど呉音ですが、中には漢音のものもあるようです。

日本には呉音も漢音も唐音も伝わっているのですが、現代では漢音が主流となっています。

「言(ごん)」と「言(げん)」とは

「言(ごん)」は呉音、「言(げん)」は漢音の発音のことです。

漢字の音は、遣唐使以前は呉音が普通に使われていたと考えられていますので、現代でもの呉音の音は残っているのです。

「言(ごん)」もその呉音であり、「無言、他言、七言絶句、大納言、罵詈雑言、真言宗、遺言」などに残っています。

「言(げん)」は漢語の音で主流となっています。

「言論、発言、断言、不言実行、狂言、苦言、方言、格言」などと使います。

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