「角隠し」は、婚礼の時、文金高島田に巻いて用いるかぶりものです。
英語では以下のように表されます。
「a Japanese bride’s headdress」「a bride’s hood」
「綿帽子」は、婚礼の時、新婦の顔を覆うかぶりものです。
英語では以下のように表されます。
「a bride’s headdress of floss silk」
「富士山は早くも綿帽子をかぶっている」は「Mt. Fuji is already capped with snow. 」です。
hood
意味は「頭巾・ずきん」「電灯・煙突のかさ」「大学の額式服の背部のたれ布」「鳥や動物の頭の色のついたフード上の部分」です。
「彼女はジャケットのフードをたてた」は「She put up hood on her jacket. 」です。
「角隠し」の意味
「角隠し」
江戸時代、女性が寺参りに用いたかぶりものです。
特に、浄土宗徒の女性が用いました。
幅12~15cm長さ72~110㎝の白絹(裏は紅絹)です。
前髪にかぶせ、後ろで二つに折って回し、髷の後上で留めておきます。
近世の「揚げ帽子」が変化したものといわれます。
現在では、婚礼の時、文金高島田に巻いて用います。
「角隠し」の語は、俗に女性の嫉妬をいましめたものといわれます。
「花嫁は白無垢に角隠しで登場します」のように使います。
「綿帽子」の意味
「綿帽子」は、以下のような意味です。
①真綿を広げて作ったかぶりものです。
室町時代ごろから、男女共に防寒具として用いました。
後に、装飾化して新婦の顔を覆うようになりました。
「おきわた」「額綿・ひたいわた」「かずきわた」ともいいます。
②樹木などに積もった雪のことです。
「綿帽子をかぶった花嫁」「山も野も綿帽子かぶり」のように使います。
<綿帽子雪>
大片の雪です。
「ぼたゆき」ともいいます。
<角・綿の漢字>
「角」
字義は「つの」「かど」「すみ」「角笛」「人相の一つ」「あげまき」「さかづき」「くらべる」「五音」「星の名前」「役者」
「中国の貨幣の単位」「公文書を数える単位」です。
解字では、「角」は象形です。
「中が空になっている固い角型」にかたどって「つの」「かど」を意味します。
「綿」
字義は「わた」「つらなる」「わたる・はびこる」「遠い」「まとう」「細かい」です。
解字では、「糸・系+帛」で構成されます。
「糸・系」の部分は「つなぐ」を表します。
「帛・はく」の部分は「白絹」を表します。
これらから「白絹を作る時につながってできる真綿」を表し「真綿」を意味します。
転じて、「つらなる」という意味も表します。
「角隠し」は、 婚礼の時、文金高島田に巻いて用いるかぶりもの、「綿帽子」は、 婚礼の時、新婦の顔を覆うかぶりものです。
「角隠し」「綿帽子」は、類語です。
共通する意味は「和装の花嫁が用いるかぶりもの」です。
「角隠し」は、和装で結婚式を挙げる場合、花嫁が頭部にかぶる白い布です。
夫に角を立てることを戒めたものです。
「綿帽子」は、真綿を平たくして作った女性のかぶりものをいいます。
かつては外出時の防寒用に用いられました。
後に、婚礼の「角隠し」のように用いられるようになりました。