「同棲」は、一つ家に一緒に住むことです。

特に、法律上の婚姻関係がない男女が同じ家に住み生活を営むことをいいます。

「内縁」は、事実上は婚姻関係にありながら、婚姻の届をしていないために法律上の夫婦と認められない男女関係のことです。

「事実婚」は、一方が他方の姓を名乗って入籍とする現行法の形を取らない婚姻関係のことです。

「内縁」の類(たぐい)です。

事実婚を有効な婚姻関係と認めることを、「事実婚主義」と言います。

「同棲」の意味

「同棲」は、一つの家に一緒に住むことです。

特に、正式な婚姻関係のない男女が一緒に暮らすことです。

「同棲生活」「彼と二年同棲していた」「同棲者」「同棲中の娘」のように使います。

英訳する場合、「Cohabitation/ cohabit /live together 」で訳されます。

<歌と映画の同棲>
かぐや姫の「神田川」は同棲した男女を表したものだといわれます。

その作詞者・喜多条忠氏の自伝的小説「神田川」は、1974年、主演・関根恵子・草刈正雄 で映画化されました。

大学の人形劇サークルに所属する上条真と、巡業先で出会った少女・池間みち子が同棲するというストーリーです。

そのころ、大学生の同棲が社会的に認識されるようになりました。

映画「神田川」
監督・出目昌伸
脚本・中西隆三
出演者・関根恵子・草刈正雄
配給・東宝
公開・1974年4月6日

「内縁」の意味

「内縁」は、内々の縁故のことです。

身内としての続柄をいいます。

浄瑠璃(加羅先代萩)には、「内縁をさっぱりと切って仕舞はば」とあります。

法律上、夫婦として生活しながら、所定の届を欠くために婚姻にいたらない男女の関係です。

「内縁の妻」「内縁の夫」「内縁関係」のように使います。

英訳する場合、「A common-law marriage /A common-law wife or husband 」で訳されます。

<法律上は>

民法上、法律婚姻主義に基づく場合、内縁関係では法律上の保護がいっさいなされないことになります。

しかし、現実には、届を出さない事実上の婚姻関係が存在します。

そのため、近年、内縁関係の夫婦は正規の婚姻関係の夫婦と同様に保護されるようになってきています。

氏の変更や子の嫡出性や相続権などは、正規の夫婦に限って認められています。

内縁関係の場合、以下のようなときには正規の婚姻関係の夫婦と同様に扱われます。

相続者がいない場合、内縁配偶者は、特別縁故者として相続の分与を請求できます。

事実上の婚姻関係があった同居人として、借家権を継承することができます。

労働基準法・健康保険法・労働者災害補償保険法など社会保障法の分野では、法律上の配偶者と同等の扱いを明記しています。

「事実婚」の意味

「事実婚」は、法律上の要件(届け出)を欠くが、事実上夫婦とすての実態を有する関係のことです。

「内縁」の類(たぐい)です。

事実婚を有効な婚姻関係と認めることを、「事実婚主義」と言います。

日本の民法は戸籍届出による法律婚主義を取っています。

民法上婚姻と認められない「内縁」、いわゆる「事実婚」をいろいろな点で判例上保護しています。

女性の社会進出にともなって姓を変えることのデメリットが認識されたことや、女性の経済力向上によって男女の関係を対等で私的なものととらえる傾向が強まったことが理由とされます。

事実婚は社会的認知を得られるようになってきましが、一方で、子供の戸籍問題など未解決な問題も多くあります。

「同棲」は婚姻関係がない男女が一緒に住み生活していること、「内縁」は事実婚ながら届を欠くために婚姻にいたらない男女のこと、「事実婚」は届け出を欠くが事実上夫婦であること
「同居」「同棲」は、類語です。

共通する意味は、「一緒に住むこと」です。

以下のように使います。

「姉と同居する」「同居世帯」「三世代同居」
「結婚前に同棲した」「親に同棲を反対された」

「同居」は、「家族が同じ家に一緒に住むこと」または、「家族でない人が、家族の家に一緒に住むこと」をいいます。

また、部屋を借りて友達や兄弟などと一緒に住む場合にもいいます。

「同棲」は、「同居」のうちで、特に婚姻関係がない男女が一緒に住み生活している場合に使います。

「内縁」は、法律上、夫婦として生活しながら、所定の届を欠くために婚姻にいたらない男女の関係です。

「事実婚」は、法律上の要件(届け出)を欠くが、事実上夫婦とすての実態を有する関係のことです。

「内縁」の類(たぐい)です。

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