劣は「力が足りないこと」。

「非力」と言い換えると分かりやすい。

拙は「つたないこと」。

「低能力」と言い換えると分かりやすい。

「劣」は「弱いこと、劣ること、非力なこと、能力が及ばないこと、質が悪いこと」などを言います。

「拙」は「つたないこと、能力が低いこと、下手なこと、まずいこと」などを意味する言葉です。

「劣」は劣ること

「劣」は「力が少ない」と書きますから「能力がない、弱い」ということになります。

「劣等生と言われたくない」「敵は次第に劣勢に追い込まれる」「彼は特別に劣等感が激しい」「なんと下劣なことを考えるのだ」「それは卑劣な態度に映る」「劣悪な労働環境は改善されるべきだ」「優劣がつく」「住宅も長い間に劣化した」などと使います。

「拙」はつたないこと

「拙」はつたないことです。

「能力が追い付いていない、幼稚だ、下手だ、自分を卑下すること」などの意味になります。

「結論を出すのは拙速に過ぎる」「なんとも稚拙な仕上がりだ」「拙宅へ遊びに来ませんか」「これでも拙者は武士のはしくれだ」「恥ずかしながら拙文を披露いたします」「拙い技のピアノをお聞かせ致します」などと使います。

「劣」と「拙」は似た言葉

「劣」と「拙」はともに能力がないことを言います。

「劣」は「能力のないこと、無能」、「拙」は「能力が追い付いていないこと、下手」となります。

端的には「劣」は「力が無いこと」、「拙」は「力はあるが低いこと」を言います。

どちらも絶対的なことを言いますが、場合により相対的に使われます。

「劣等」「稚拙」は絶対的使用で「劣勢」「拙宅」などは相対的な使用です。

「劣」と「拙」とは

端的には、「劣」は「劣ること、力が少なく、弱いこと」を言い、「劣等生・劣等感・劣勢・卑劣・下劣・優劣・劣化」などと使い、「拙」は「拙いこと、比較的に力が及ばないこと」を言い「稚拙・拙速・拙攻・拙者・拙文・拙宅・拙著」などと使います。

「劣」の対義語は「優」で「優れていること、力があること、強いこと」を言い、「拙」の対義語は「巧」で「巧なこと、力が勝っていること、上手なこと」となります。

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