「教授」は、研究機関(大学・研究所)における役職の類です。

「博士」は、博士という学位を所持している人の称号です。

「専門家」は単に「詳しい人」という意味で、役職や学位等とは関係ありません。

また、「教授」は「専門家」かもしれませんが必ずしも「博士」ではなく、「博士」も「専門家」かもしれませんが人数的には「教授」でないほうが多く、「専門家」であっても「教授」や「博士」でない方も多い、という関係です。

「教授」の意味

大学などの研究機関における役職です。

企業でいう「部長」や「課長」などの類です。

一般的に、研究機関では講師・助手(助教授)・准教授・教授の順番で昇進し、在職時の貢献に応じて退職後は「名誉教授」の称号が付与されます。

「教授」はあくまである機関内の役職なので、機関を離れれば「元●●大教授」となります。

教授だからといって必ずしも博士であるとは限らず、とくに人文系の年配の教授や客員教授(経営者など)はその傾向があります。

「博士」の意味

一般的に「物知り」なことを「博士」と言いますが、ここでは学位の「博士(博士号)」について述べます。

「博士」は、大学院の博士課程を履修し博士論文を提出し審査に通った者(課程博士)、あるいは大学に論文を送付した後、博士号相当と認められた者(論文博士)のことを指します。

たとえば医師免許を持っている人が全員医者であるとは限らず、英検1級を持っている人が全て語学関係の職についているとは限らないと同様に、博士であることは必ずしも今現在学問に関わっているとは限らないことは重要です。

「専門家」の意味

その物事に詳しい人、という意味です。

昨今の報道では「専門家」として大学教授や博士号保有者が出ることが多いので混同されがちですが、単に「専門家」と言うのには特に資格は必要ではありません。

一人が複数の「専門家」であることも可能です。

特定の物事について他人より詳しければ、その人はたとえ研究機関に所属していなくても「専門家」といえます。

役職か学位か呼び方か

研究機関と関りが薄い方には、なかなか馴染がない「教授」「博士」「専門家」の違いをご紹介しました。

なじみがないにも関わらず、ここ数年は報道などでこれらの肩書を持つ人が多々登場するようになりました。

それぞれの言葉の違いを知り、適切に判断することによって、もしかしたら皆さんの日常も少し豊かになるかもしれません。

おすすめの記事