「神父と牧師」神父は一般的には「ファーザー」と呼ばれます。
神父は、ローマ・カトリック教会や東方正教会で司祭に対する非公式な敬称です。
つまり、司祭・修道司祭の呼称とされています。
一方、牧師は、英語でpaster,ministerです。
プロテスタントの教会組織における教職名です。
16世紀の宗教改革で「万人祭司主義」に立つプロテスタント諸教会は、特権的な「司祭制度」を廃止して「牧師」の呼称と役割を復活させました。
「牧師」とは、本来、新約聖書の「エペソ人への手紙」4章にみられる初期の教会の奉仕職の一つだったからです。
形の上ではカトリックの司祭、特に主任司祭に類似しています。
神父の意味
「神父」
神父は一般的には「ファーザー」と呼ばれます。
ローマ・カトリック教会や東方正教会で司祭に対する非公式な敬称です。
つまり、司祭・修道司祭の呼称とされています。
「神父」という漢字は、中国語訳によるものです。
この場合の「神」は「霊魂」を意味します。
一方、牧師は、新約聖書の「エペソ人への手紙」4章にみられる初期の教会の奉仕職の一つでした。
しかし、この役割はカトリックの司祭に吸収されていきました。
カトリックの司祭は、時代が下るにしたがって、政治的な力を得て特権階級になっていきます。
牧師の意味
牧師は、英語でpaster,ministerです。
プロテスタントの教会組織における教職名です。
本来、新約聖書の「エペソ人への手紙」4章にみられる初期の教会の奉仕職の一つでした。
16世紀の宗教改革で「万人祭司主義」に立つプロテスタント諸教会は、特権的な「司祭制度」を廃止して「牧師」の呼称と役割を復活させました。
形の上ではカトリックの司祭、特に主任司祭に類似しています。
16世紀の宗教改革に於ける「万人祭司」とは、「洗礼によって、全ての信徒は神の聖務を担当する祭司に任職されることができる」という意味です。
よって、カトリックなどで常態化していた特権的身分としての祭司を否定しました。
免罪符と神父と牧師の関係
中世、ヨーロッパでは、死後の世界に対する関心が高まっていました。
当時、貨幣経済の発達で、富貴な市民が誕生し、平均寿命も延びていました。
そのために、人々は、死後の世界に於ける幸福の追求に関心をもつようになったと云われます。
そんな中で免罪符がカトリック教会によって、乱発されるようになりました。
このことから、ドイツの宗教改革者・ルターのカトリック教会非難が始まり、宗教改革へと発展します。
宗教改革は、免罪符の批判から始まりました。
それによって「万人祭司」の思想広がりました。
それは、「洗礼によって、全ての信徒は神の聖務を担当する祭司に任職されることができる」という思想です。
これによって、「牧師」という聖職は復活し、特権的身分としてのカトリックの祭司はプロテスタント教会では否定されました。
中世の宗教改革とルネサンス
中世、ヨーロッパで、カトリック教会の批判に端を発した宗教改革と、ルネッサンスは関係があると云われます。
中世の教会中心主義から離れて古代ギリシャ・ローマ文化の復興を目指しました。
しかし、もともとは、中世の貨幣経済の発達がその原因です。
貨幣経済の発達は、富貴な市民が誕生させました。
平均寿命も延びました。
人々は、死後の世界に関心を持つ余裕が生まれたのです。
良い死後の世界に往くためには、最後の審判で天国の門を開けてもらう必要がありました。
そのための免罪符です。
カトリック教会は人々が必要とした免罪符を乱発しました。
このことから宗教改革が始まり、プロテスタントが生まれました。
文化的には、教会の思想から離れて人間回帰をうたったルネサンス運動が活発になったとされます。