「嘶く・いななく」は、馬が声高く鳴くことです。
英語では「neigh」「whinny」で表されます。
「高く長くいななく」場合「neigh」を使います。
「低く穏やかにいななく」場合「whinny」です。
「囀る・さえずる」は、小鳥がしきりに鳴くことです。
英語では「twitter」「sing」「chirp」「warble」で表されます。
「ちゅっちゅっと囀る」という意味の場合「chirp」を使います。
「声を震わせて囀る」という意味の場合「warble」
「雲雀が囀っている」は「Larks are warbling. 」「Larks are singing. 」です。
「嘶く・いななく」の意味
「嘶く・いななく」は、馬が声高く鳴くことです。
「いばゆ」と同じ意味です。
以下のように使います。
馬が一声嘶いた ヒヒンと嘶く
☆いばゆ
馬が声高く鳴くことです。
万葉集(13)に「葦毛の馬のいばえ立ちつる」とあります。
源氏物語(総角)に「馬どものいばゆる音もをかしと思さる」とあります。
☆neigh
自動詞の意味は「馬がいななく」です。
「馬のいななきの音は長く高い音です」は「When a horse neigh it makes a long high sound. 」です。
「囀る・さえずる」の意味
「囀る・さえずる」は、以下のような意味です。
①小鳥がしきりに鳴くことです。
古今和歌集(春)に「もも千鳥囀る春は物ごとにあらたまれどもわれぞふりゆく」とあります。
②舞楽の中で舞人が漢文の詩句を朗詠することです。
節をつけて歌うことです。
③ぺちゃくちゃとやかましくしゃべることです。
軽蔑して使います。
④地方の人や外国人が、聞き取りにくい言葉でしゃべることを言います。
以下のように使います。
シジュウカラが囀っている 雲雀が囀る 団体客が囀りながら食事を始めた
嘶・囀の漢字
「嘶」
字義は「いななく」「むせぶ」「しわがれる・声がかれる」です。
解字では、「口+斯」で構成されます。
「斯・し」の部分は「馬のいななきの擬声語」を表します。
これらから「馬が鳴く・いななき」を意味します。
「囀」
字義は「さえずる」「しらべ・調子」「ころがす・動かす」です。
解字では、「口+轉」で構成されます。
「轉・てん」の部分は「ころがす」を表します。
これらにより「口の中で声をころがす」を表し「さえずる」を意味します。
「嘶く・いななく」は 馬が声高く鳴くこと、「囀る・さえずる」は 小鳥がしきりに鳴くことです。
「鳴く」「吠える」「嘶く・いななく」「囀る・さえずる」は、類語です。
共通する意味は「動物が声を出すこと」です。
「嘶く・いななく」は、馬に用います。
「囀る・さえずる」は、小鳥について用います。
「鳴く」「囀る・さえずる」の二語は小鳥に用いますが、「囀る・さえずる」は声を出しつづける場合に使います。
※人間が声を出し、涙を流す場合には「泣く」を使います。