「原拠」は、ある事柄のもとになるよりどころです。
英語では「authority」で表されます。
「彼がこのような説を唱える原拠(典拠)となっているのは『ノア・ウェブスター』である」は「His authority for this observation is Noah Webster. 」です。
「拠り所」は、基づく所です。
英語では「foundation」で表されます。
「聖書は彼の生涯の拠り所であった」は「The Bible was his greatest support throughout his life . 」です。
「原拠」の意味
「原拠」は、ある事柄のもとになるよりどころです。
以下のように使います。
小野小町伝説の原拠となる書物 この思想の原拠は仏教にある
原拠を示して説明する
☆拠の漢字
字義は「よる」「よりどころ」「ひく」「安んずる」「おさえる」です。
解字では、「手+処(?)」で構成されます。
「処(?)・きょ」の部分は「獣のもつれあい」を表します。
これらにより「手をもつれ合わせる」を表し「頼る・すがる」を意味します。
「拠り所」の意味
「拠り所」は、以下のような意味です。
①頼りとする所です。
寄りすがる所です。
支えとする所です。
源氏物語(桐壺)に「事とある時は、なほ拠り所なく心細げなり」とあります。
②基づく所です。
「根拠」と同じ意味です。
以下のように使います。
弁護士が拠り所とする判決 理論的な拠り所 拠り所を示して説明する
先生の教えを心の拠り所とする 拠り所を先例に求める 生活の拠り所を失う
「authority」と「foundation 」
☆authority
原義は「生み出す人」→「権限・権威」に変化しました。
名詞です。
「権威・権力」「当局」「職権・許可」「典拠・根拠」という意味です。
「英文学の大家」は「an authority on English literature」です。
「飛行機事故の分析分野における権威」は「an authority in the field of plane disasters」です。
☆foundation
名詞です。
「建設する」「基本金」「土台・基礎」「根拠・拠り所」「下塗り」「一年生」「台札」という意味です。
「全ての理論は事実的な知識に基礎をおいて形成されなければならない」は「All theories should be built on a foundation of factual knowledge. 」です。
「その噂は事実にもとづくものではなかった」は「The rumor had no foundation in fact. 」「The rumor was without foundation. 」です。
「原拠」 はある事柄のもとになるよりどころ、「拠り所」 は基づく所です。
「根拠」「典拠・てんきょ」「原拠」「拠り所」は、類語です。
共通する意味は「頼り、支えとする所」です。
「原拠」は、頼り、支えとする一番の大本のものです。
「拠り所」は「支え、裏付けとなるもの」という意味です。
広く用いられますが、「出典」の意味では用いられません。
☆拠ん所・よんどころ
「拠り所」の転です。
「よんどころなし」という形で使われます。
「やむを得ない」「余儀ない」という意味です。
「よんどころない事情で欠席する」のように使います。