奪は「奪い取ること」。

「剥奪」と言い換えると分かりやすい。

奮は「奮い立つこと」。

「興奮」と言い換えると分かりやすい。

これらの文字は偏の「大」と「隹・ふるとり」が組み合わされ、「鳥がはばたく様子」を表しています。

「奪」の「寸は手のこと」で、「鳥が手から飛び立つこと・失うこと」となり「奪うこと」と変化しました。

「奮」は「田」で鳥がはばたく様子から「奮い立つ」と言う意味になったものです。

「奪」は奪うこと

「奪」「奪い取ること」です。

「奪取は奪い取ること」「略奪はだまして奪い取ること」「剥奪は勲章や称号などを無効にすること」「争奪戦を繰り広げる」「強引に奪い取ることは強奪となる」「奪三振記録を塗り替えた」「略奪結婚」「略奪されていた国土の奪還」「簡単には奪回できない」「換骨奪胎は作品の作り替えのこと」などと使います。

「奮」は「奮い立つこと」

「奮う」は「鳥が田で大きく羽ばたきをする様子」から「奮い立つ」と言う意味になりました。

「すぐに興奮する悪い癖」「大敗だったので発奮をするかも知れない」「奮闘の末、勝利を手にした」「もっとみんな奮起しよう」「奮発して高いものを購入した」「寅さんは奮励努力の甲斐もなく」「奮然として席を立った」などと使います。

「奪」と「奮」は似て非なる字

「奪」と「奮」は字面が酷似していますが、意味は全く異なる字です。

漢字にはこのような似ている字が多くあり、錯誤の原因となっています。

画数の多い偏が同じ字は当然似た漢字になりますから、漢字の宿命と言えます。

また、旁の部分が同じで偏が異なる漢字も多く、間違えるものと言えます。

「霰・霙・霧」「検・険・倹・験」など。

「奪」と「奮」とは

「奪」は「奪い取ること」です。

「収奪・強奪・奪取・奪還・奪回・略奪・剥奪・争奪」などの熟語があります。

「奮」は「奮い立つこと」で、熟語は「奮闘・奮励・興奮・奮起・奮戦・奮闘・奮然」などがあります。

どちらの漢字も「鳥が大きく羽ばたく様子」が語源にあり、「鳥が手から飛び立つ=失う= 奪う」「奮い立つ」という意味になっています。

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