託つは「嘆くこと、人のせいにすること」。
「嘆く」と言い換えると分かりやすい。
託けるは「関係ないことを口実にすること」。
「こじ付け」と言い換えると分かりやすい。
「託つ」は現代では余り使われない言葉になります。
読めない人も多いと思われる言葉です。
しかし、日本古来の言葉であることは間違いありません。
例として暇なことを嘆く「無聊を託つ」があります。
「託つ」は不平不満を言い嘆くこと
「託つ」は「嘆くこと」ですが、現代では余り使われません。
百人一首にある西行法師の和歌「嘆けとて月やは何を思わするかこち顔なる我涙かな」で使われていますが、難しい言葉になります。
「涙が落ちるのは月が嘆けと言っているからではない、本当はつれない恋人のせいなのだ」と言う恋愛歌なのです。
「無聊を託つ」の無聊は退屈なこと、気が晴れないことと言う意味になります。
「託ける」は人のせいにすること
「託ける」は「託つ」とは意味が変わります。
本当の動機を隠して、関係ないことを無理やり関連付けてしまうことです。
関係ないことを関係あるように都合の良い口実とすることです。
自分に責任が有っても「きっと誰かのせいだ」と関係ないことを言い、責任逃れをすることです。
最近の例ではホワイト国除外を日本の報復だと、問題のすり替えをしている隣国の態度があります。
「託つ」「託ける」は「託」と言う字を使う
「託」は「頼む、預ける、口実とする、愚痴を言う、神のお告げ」などの意味があります。
「託つ」は愚痴を言うという意味で使い、「託ける」は口実とするという意味で使います。
頼むという意味では「託ける」を「ことづける」と読ませることがあります。
「託」の付く熟語では、「委託、供託、嘱託、受託、信託、宣託、付託、託児所」などがあります。
「託つ」と「託ける」とは
「託つ」は愚痴を言うという意味になります。
「不遇を託つ」「無聊を託つ」「~託ち顔なる~」などと使います。
「託ける」は何かに強引に関連付けて問題や動機、理由などの本質をすり替えてしまうことです。
言い訳をする時に良く使うことで、責任逃れの常套手段になります。
また、「託ける」は「ことづける」と読むこともあります。