告訴とは、被害者あるいはその親権者や後見人(まとめて告訴権者と呼びます)が、犯罪があった事実を警察などに告げて犯人の処罰を求めることです。
告発とは、犯人や告訴権者以外の第三者が、犯罪があった事実を捜査機関に告げて犯人の処罰を求めることです。
つまり、告訴と告発の違いは「誰が事件があったことを告げるか」なのです。
告訴なら被害者あるいはその周囲の人、告訴なら犯罪に全く関わりのない第三者が告げる、ということです。
「告訴」の意味
被害者、あるいはその法定代理人(親権者や後見人)などの告訴権者が、警察や検察などの捜査機関に対して犯罪事実を告げて犯人の処罰を求めることです。
告訴する場合は検察官や司法警察員に対して書面で行うのが一般的ですが、口頭で犯罪事実を告げることも可能です。
告訴は取り消しすることができますが、その事件が起訴されると取り消しすることは不可能になります。
また、起訴前に一度告訴を取り消してしまうと、再度告訴することはできません。
「告発」の意味
犯人および告訴権者以外の人間が、捜査機関に対して犯罪事実を告げて犯人の処罰を求めることです。
告発も告訴と同様に、書面あるいは口頭で犯罪事実を告げることができます。
時には贈収賄罪など、目に見えるかたちで被害者がいない犯罪が告発されることもあります。
余談ですが、公務員は職務中に犯罪を発見した場合、それを告発することが義務付けられています。
「告訴」と「告発」の例文
告訴の例文:同僚が勝手に私の財布から50万円を抜き出して持ち去っていったので、告訴しようか考えている。
告訴とは「被害者あるいはその周囲の人が事件があったことを告げること」なので、この場合は告発ではなく告訴が妥当です。
告発の例文:機関に私の研究事業が告発された。
被害者あるいは犯罪者が私にあたるので、そのどちらでもない第三者である機関から事件性を告げられたことから、ここでは告発が妥当です。
まとめ
「告訴」と「告発」の違いについてご紹介しました。
新聞やネットで見かけるこれらの言葉ですが、どんな違いがあるかわかっていなかったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
先述しましたが、区別するポイントは「誰が事件があったことを告げるか」です。
これさえ理解していれば、次に本や新聞で「告訴」あるいは「告発」という文字に出くわしても、その意味を思い出しやすくなります。
意味がわかれば全体の文章を理解しやすくなります。
覚えておいて損はないので、「そういや告訴の意味ってなんだっけ」という風に時折思い出してみることをオススメします。