車でドライブしている時に、「バナナの木」があるのを見て、『こんなところでもバナナが生えるんだ』と驚く人がいます。
実は、沖縄などの南の島でもない限り、それはバナナではなく、「バショウ(芭蕉)の木」の見間違いです。
バショウは別名をジャパニーズバナナとも呼ばれるほど、バナナにそっくりです。
ただ、バナナと違い、食べられません。
バナナとは
「バナナ」はバショウ科バショウ属の多年草です。
なお、高い所に実がなるために木と思われがちですが、バナナは「草」です。
幹のように見える部分は茎です。
バナナは「バナナベルト地帯」と呼ばれる、「赤道をはさんで北緯&南緯30度の地域」で栽培されており、気温や湿度の高い熱帯、または亜熱帯を好みます。
日本では、沖縄県や奄美諸島で見られます。
バショウとは
バショウも当然、バショウ科バショウ属ですが、原産地は中国です。
夏から秋にかけて、黄褐色の花を咲かせます。
温暖な地域で育つ植物ですが、九州より南の島には存在していません。
耐寒性や耐熱性の性質があるため、夏と冬のある日本の本土の気候に適合し、西の地方では路地で見かけることもできます。
また、バナナの実によく似た果実を付けます。
バショウとバナナの見分け方
バショウの実はバナナのようには大きくならず、種が多くなっています。
追熟させると甘くなって食べられますが、放置していると追熟せずに干からびてしまいます。
なお、葉っぱの裏が薄緑色をしていれば芭蕉で、白っぽい粉をふいているとバナナです。
また、花の下になる葉っぱ(苞)の色でも見分けることができ、黄色ければバショウで、紫色ならバナナです。
存在する地域の違い
バショウとバナナは、どちらもバショウ科バショウ属の多年草ですが、バナナは熱帯性のために日本では地植えしても育ちません。
バショウも暖かい地方に多く見られますが、耐寒性があることで日本でも露地栽培ができます。
つまり、日本の本土で地植えされているバナナによく似た植物は全て、バショウということです。
なお、バショウの実は食べられません。