「進呈」と「贈呈」と「謹呈」と「献上」は、いずれも他人にものをあげるときに使用される言葉ですが、その形式や上下関係が異なります。
「進呈」は、もっとも形式ばらない場面で、目下から目上にものをあげるときに使います。
「贈呈」は、進呈より改まった表現で、主に目上から目下にあげるときに使います。
「謹呈」は、つつしんで、目下から目上にあげるときに使います。
「献上」は、はるかに目上の人にあげるときに使います。
「進呈」の意味
進呈とは、他人にものを贈ることを意味する形式ばらない表現です。
「進」は差し上げるを意味し、「呈」も差し出すことを意味します。
「粗品進呈」など、軽い気持ちで受け取れるような物品の受け渡しに使用されます。
主に、目下の者から目上の者に、へりくだって「恐縮しながらつまらないものを差し上げる」ことを表しています。
「贈呈」の意味
贈呈とは、公(おおやけ)の場などで他人に金品を贈ることを意味します。
「進呈」よりも「贈呈」のほうが、形式ばった、改まった表現になります。
「贈」は金品を贈ることを意味し、「呈」は差し出すことを意味します。
例えば「表彰状並びに賞品の贈呈」など、形式ばった場面に使用されます。
主に、目上の者から目下の者に、あるいは同格の者同士の間で使用される言葉です。
「謹呈」の意味
謹呈は、謹んで(つつしんで)、相手に敬意を払って贈呈することを意味します。
謹呈は、進呈や贈呈よりも形式ばった表現です。
目下の者が、目上の者に差し上げるときに使用される言葉です。
特に、書物や著書に使用されることが多く、自著を「謹呈本」と表記したり、自著に「謹呈」と印刷したしおりを挟んで送ったり、手書きをしたり、ハンコを押す場合もあります。
「献上」の意味
献上は、身分の高い相手に物品を贈ることを意味します。
「献」が、上位者や神仏に物品を差し上げることを意味します。
「上」も、差し出すことを意味します。
具体的には、皇室や王族など、非常に身分が高い相手に贈呈する場合に使用されます。
他の用法として、スポーツなどで相手チームに点数を取られることを、「決勝点を献上する」などと使います。