お煎餅とおかきはどちらもお米を蒸かしてから搗き捏ねて、焼いたり揚げたりしてから味を付けたお菓子ですが、原料に違いがあります。

お煎餅はご飯を炊くのと同じ「うるち米」を使って作ったお菓子のことを指します。

一方おかきはお餅をつくときと同じ「もち米」を使って作ったお菓子をのことを指します。

おかきは「かき餅」とも言います。

お煎餅について

お煎餅の始まりには諸説あり、もともとは中国から伝わった、小麦粉を使ったお菓子だったとも言われています。

現代のお好み焼きやクレープのようだったそうです。

農家の人が屑米を蒸して丸め、日持ちするように干したものに塩味を付けるようになりました。

街道が発達して宿場町が増えると腹持ちもよく、荷物にしても軽くて保存性もよいので旅人に重宝されるようになったそうです。

そのうち各地に煎餅が広まって器具や作り方も進化し、また醤油がつくられるようになると醤油味の煎餅が広く好まれるようになり、様々な土地で名物のお煎餅がつくられるようになったのです。

おかきについて

おかきは「かき餅」ともいわれるように、もともとはお餅から作られたものです。

収穫に感謝して神様にお供えしたお餅は時間がたつと乾きひび割れてきます。

お供えからおろしたそのお餅を槌などで欠き割って、焼いたり煎ったりして食べたのがおかきの始まりだそうです。

「欠いた餅」に大切なものに対する丁寧語である「お」を付けて「おかき」と呼ぶようになったのです。

関東と関西におけるお煎餅とおかきの違い

現在お煎餅というと塩味や醤油味などのしょっぱいものが多いイメージですが、その前は小麦粉を使って甘い味付けをしたものが多く、高級品の扱いで主に上流階級の食べ物でした。

この流れは今でも瓦煎餅などに残っていて、関西ではお煎餅というとこの甘い煎餅を指す人が多いようです。

しょっぱいお煎餅はもち米で作ってあってもおかきと呼びならわしています。

似ているようで違う、違うようで似ている、おかきとお煎餅

同じようにお米を使い、焼いたり揚げたりしてつくるおかきとお煎餅。

関西と関東でその指し示すものに違いがあったり、全国に名物のおかきやお煎餅があったり、今となってはその境界線はあいまいなものとなっているようです。

でも、どのお煎餅もおかきも、その土地その土地でとれるお米や調味料を使ってみんなに愛されているおかしなことに変わりはありません。

各地の味の違いを楽しみ、美味しく頂ける。

お煎餅もおかきも素晴らしい、世界に誇れる日本のお菓子ですね。

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