重篤と重症と重体と危篤は、いずれも病気やケガが重い場合に使用しますが、その重さに違いがあります。
その中で最も重くない場合は「重症」を使用し、病状が深刻ではあるが生命の危険がないことを意味します。
「重体」と「重篤」は、ともに生命の危険がある状態ですが、「重体」はケガの場合、「重篤」は病気の場合に主に使用されます。
さらに生命の危険が高い場合に、「危篤」が使用されます。
「重篤」の意味
「重篤」とは、病気やケガの症状が重く、生命の危険がある状態で、主に、病気の程度が重いことを意味します。
一般に使用される言葉というよし、むしろ医療関係者の間で使用される専門用語に近い言葉になります。
「危篤」が、生命の危険を回避できないような状態であるのに対し、「重篤」は、このまま(何も処置しない)では、死に至るという意味が含まれる点が異なります。
「重症」の意味
「重症」とは、病気やケガの程度が重いが、すぐに生命の危険がある状態ではないときに使用されます。
消防庁の定義では、「三週間以上の入院が必要である」ケガや病気に使用されます。
それより軽い場合は「軽症」となります。
「重症」は病気やケガの程度が重いことを指しますが、同じ読みの「重傷」はケガのみを指すことが多く、全治一か月以上を要するケガを意味します。
「重体」の意味
「重体」は、ケガや病気の程度が重く、このままでは生命の危険がある場合に使用されます。
特に、事故などによるケガの場合に使用されることが多く、病気の場合は「重篤」が使用される傾向があります。
また、「重篤」は、病気や状態を形容することもあります(重篤な心不全など)が、「重体」は、ケガや病気の状態の患者さんを形容し、病気や状態を形容することはありません。
「危篤」の意味
「危篤」も、重体と同じく、病気やケガの程度が重く、生命の危険がある場合に使用されます。
しかし、両者はその危険度が異なり、「危篤」のほうがより危険度が高く、死が目前である、あるいは死が回避できない場合に使用されることが多い言葉です。
血圧が低下したり、呼吸が弱まるなど、回復が望めないと判断された場合に使用されます。