ひとえには「そのことだけにと言う意味のこと」。
「相手を立てる」と言い換えると分かりやすい。
只々は「そのことに限定する意味のこと」。
「限定」と言い換えると分かりやすい。
「ひとえに」も「只々」も場合により、同じ場面に使われることがあります。
例えば、「ひとえに先生のおかげ」「ひとえに先生のおかげです。
只々、感謝申し上げます。」
と使います。
「ひとえに」は「偏に」と書く
「ひとえに」は漢字では「偏に」と表記しますから「一重」と書くことは間違いになります。
「一重」は「一重瞼」のように使い、単一と言う意味になります。
語源としては古語の「ひとへに」から出たとされています。
平家物語の冒頭の諸行無常の例えで「偏に風の前の塵」と使われています。
感謝を表す場合と謝罪を表す場合があります。
「只々」は「只」の強調語で、ある行為の強調を表す言葉
「只々」は「只」を強める言葉で、何か自分の行為を強調するために使われます。
「只々、感謝いたします」「只々、申し訳ございません」「只々、悲しいと思うばかりです」などと自分の行為を限定して強調することを行います。
「只々」は「唯々」とも書くことが出来ます。
意味は同じ様に使えますが「従う」と使う場合は微妙に異なります。
「ひとえに」や「只々」の類義語
「ひとえに」の類義語は「只々、もっぱら、ほとんど、主として、全く」などがあり、あることを強調している言葉です。
「只々」は「唯々、もっぱら、単に」などがあります。
やはり、行為を限定し強調する言葉になります。
「ひとえに」は公式の場で使われることも多く、格式ばった言葉になります。
「只々」は感謝や謝罪の会話でよく使います。
「ひとえに」と「只々」とは
「ひとえに」も「只々」も何かの強調のための言葉です。
「ひとえに」は相手を持ち上げる時に使い、公式の場で良く使われます。
「ひとえに、皆さま方のご尽力の賜物です」「結婚できたのも、ひとえにお仲人様のおかげです」と使います。
「只々」は「只々、感謝いたします」「只々、申し訳ございません」と使います。
また、「唯々」とも書くことがあります。