おもむろには「ゆっくりと動作を行う様子のこと」。
「ゆっくり」と言い換えると分かりやすい。
やおらには「静かに動作を行うこと」。
「静かに」と言い換えると分かりやすい。
「おもむろに」と「やおらに」と言う言葉は副詞ですが、どちらも「ゆっくり」と言う意味を持ちます。
「やおらに」は「急に」と言う意味で使っている人がいますが、これは誤用となります。
「おもむろに」は「ゆっくりと」と言う意味
「おもむろに」は「徐に」と書き、語源の一説には古語の「おもぶる」から出た言葉と言われています。
「おもぶる」は静かな様子と言う意味ですから、「ゆっくりとした動作」に通じるものがあります。
「おもむろに」を「急に、いそいで」と誤用している人がいます。
「列車はおもむろに動き出した」「おもむろに帰り支度を始めた」などと使います。
「やおらに」も「ゆっくりと、ようやく」と言う意味
「やおらに」は「急に」ではなく、反対に「ゆっくりと」と言う意味になります。
なぜか「急に、急いで」と使う人が多いのは、「やにわに」の影響かも知れません。
「やおらに」の語源はいろいろありますが納得できるものは「ようやく=やをやく」から「やお+ら」となったものです。
「ようやく」と同じですから、「ゆっくりと」となるのです。
なんとも間違えやすい副詞になります。
「やおらに」と「やにわに」の誤用
「やおらに」は「ようやく」からきた言葉、「やにわに」は「矢庭」から来た言葉になります。
語源を知れば間違えることは無いのですが、ほとんどの人が語源など考えないはずですから、誤用となるのです。
「矢庭」は矢を射る場所のことで、戦国時代の緊迫した様子から「急いで」となったとされます。
「やおらに」の「や」と「やにわに」の「や」が同じことから勘違いしているのだと言えます。
「おもむろに」と「やおらに」とは
「おもむろに」は「徐に」と書きますから「徐々に」と言うことになり「ゆっくりと」となるのです。
古語の「おもぶる」からきた言葉です。
「やおらに」は「ようやく」からきた言葉ですから「ゆっくりとしているので、ようやく」と言うことなので「ゆっくり」と言う意味があるわけです。
どちらの言葉もなぜか「急いで」と誤用されることが多い言葉です。