「逆らう」は、流れや力の向かう方向とは逆の方向に進むことです。
英語では「go against」で表されます。
「風に逆らって船を進める」は「sail against the wind 」「sail in the teeth of the wind」です。
「時流に逆らう」は「swim against the current of the times 」です。
「楯突く」は、手向かうことです。
英語では「disobey」「defy」で表されます。
「上司に楯突く」は「rebel against one’s boss」です。
「親に楯突く」は「disobey one’s parents」です。
「権力に楯突く」は「be in defiance of authority」です。
「逆らう」の意味
「逆らう」は、以下のような意味です。
①流れや力の向かう方向とは逆の方向に進むことです。
順当な方向に反して、逆に進もうとすることです。
「抗する」「逆行する」と同じ意味です。
②運命や物事の勢いなどに従わないことです。
「抵抗する」と同じ意味です。
③目上の人の言うことや決められたことに従わないことです。
「反抗する」と同じ意味です。
以下のように使います。
親の希望に逆らって弁護士になった 道徳に逆らう 運命に逆らって生きる
時流に逆らう 風に逆らって進む 校長先生に逆らって停学処分になった
「楯突く」の意味
「楯突く」は、手向かうことです。
目上の者に反抗することです。
「はむかう」と同じ意味です。
以下のように使います。
上司に楯突く 主人に楯突く 権力に楯突いたがために刑務所行きだ
「rebel against」
原義は「反抗して戦争を起こす」です。
自動詞の意味は「謀反をおこす」「権力にそむく」「強い嫌悪を感じる」「受け付けない」です。
「政府に対して反乱を起こす」は「rebel against the government」です。
「関連語」
「抗する」は、「抵抗する」の古めかしい言い方です。
文章語です。
「権力に抗する」のように使います。
「立ち向かう」は、働きかける相手に対して正面切って相対することです。
「恐れることなく立ち向かう」のように使います。
「蟷螂が(の)斧」は、非力を顧みないではむかうことの例えです。
「蟷螂」は「カマキリ」のことです。
「窮鼠猫を噛む」は、追い詰められた弱者が、最後の力を振り絞って抵抗することをいいます。
必死の覚悟があれば、弱者であっても強者を苦しめることができるという例えです。
「逆らう」は、 流れや力の向かう方向とは逆の方向に進むこと、「楯突く」は 手向かうことです。
「逆らう」「楯突く」「歯向かう」「手向かう」「反抗」「抵抗」は、類語です。
「抗する」「立ち向かう」「蟷螂が(の)斧」「窮鼠猫を噛む」は、これらの言葉の関連語です。
共通する意味は「人の意見や指示に従わないこと」です。
「逆らう」は、「風に逆らって走る」のように、「ある方向に対して逆の方向に進む」という意味から、従わない程度が大きいことを表します。
「楯突く」は、「逆らう」よりもはっきりとした反対を意味します。
対象は抽象的なものではなく具体的な特定の人に限られます。