詫びは「頭を下げて謝ること」。
「謝罪」と言い換えると分かりやすい。
侘びは「豪奢でなく簡素に価値を見出す美意識のこと。」
「侘び寂び」と言い換えると分かりやすい。
「詫」と「侘」と言う漢字は音符「宅・タ」で共通しています。
どちらも音読みでは「タ」と読みます。
訓読みでは同じく「わび」と読みますが、意味するところは全く異なります。
「詫び」は謝ること
「詫び」は頭を下げて謝ることです。
頭を下げることが大切で、下げなければ謝罪と受け取られません。
「詫びを入れる」「詫び状」などと使い、間違った言動や不祥事を「詫びて」、謝罪をすることを言います。
謝罪会見などで、良く頭を下げている場面を見ます。
社会的な立場の人は、責任を取り辞任をすることで決着を図ります。
「侘び」は簡素を好む美意識のこと
「侘び」は茶道や俳句で使われる「侘び寂び」の「侘び」のことです。
質素、簡素、不完全さ、静寂、寂しさなどを好む日本の美意識の一つです。
「侘助椿」「侘茶」「侘び住い」「侘び数寄」などの言葉があります。
「侘しい」「ほこる」とも言います。
英語では「WABI」となり、該当する英語がありません。
「侘び」は「寂び」とともに日本文化の美意識となっているのです。
「詫び」と「侘び」の「わび」の語源
「詫び」の語源は「誤る・謝る」からと言われています。
元は「間違える」意味の「誤る」で、「あやまる」が「謝る」となり「詫びる」と変化したものと言われています。
「侘び」の語源は「わぶ」という古い動詞で「悲観する、辛くなる」という意味があります。
同じ「わび」でもかなり異なる意味になります。
「詫びる」は「詫びしい」というような形容詞にはなりません。
「侘び」は「侘びしい」となります。
「詫び」と「侘び」とは
「詫び」は「謝罪すること」「頭を下げること」という意味になります。
「詫びる、詫びを入れる、お詫び」と使います。
「侘び」は「日本文化の神髄である侘び寂びの美意識のこと」という意味になります。
「侘びしい、侘び住まい、侘助、侘茶」などと使い、「質素、不完全、粗末、静寂などの中に美意識を感じること」となります。