厳は「きびしいこと、おごそかなこと」「厳粛」と言い換えると分かりやすい。
巌は「大きな石のこと、けわしいこと」。
「巌窟」と言い換えると分かりやすい。
「厳」と「巌」は間違えやすい漢字で一、二を争うものかも知れません。
非常に似ていることから。
誤用も大変多い漢字です。
特に「巌・いわお」は人名に使いますので、間違えると大変です。
「厳」は厳しいこと
「厳」は厳しいことや厳かなことを表す漢字です。
「厳格な父親だった」「厳粛に受け止める」「時間厳守でお願いします」「売上アップが厳命された」「威厳を持って接する」「とうとう戒厳令となった」「尊厳のある仏閣」「荘厳なゴシック建築の教会」「厳罰を処す」「厳重に保管する」「厳選する」「今年は厳冬が予想される」などと使います。
「巌」は「いわお」のこと
「巌」は「岩」と同じ「大きな石」のことです。
「けわしい・がけ」などの意味もあります。
「巌窟王という小説」「巌頭・巌巌・巌壁・奇巌」などの言葉があります。
また、人名で「巌・いわお」と使います。
なお、「山」が頭についている漢字は「嵐・崖・嵌・岩・崇・崩」などがあります。
旧字では「巖」と書き、音は「ガン」、訓は「いわ・いわお・がけ・けわしい」などです。
「厳」と「巌」を取り違えるのは
「厳」は旧字が「嚴」となり、「口二つ」と「音符・ガン・ゲン」からなっています。
「口二つ」は責める意味になり「きびしい」となったものです。
「巌」は「厳」に「山」がついて漢字で「きびしい山=けわしい」となったものです。
「音符」が同じものであること、語源に共通性があることなどから、字の形が似てしまい取り違えのもとになるのですが、成り立ちを知れば間違えにくくなります。
「厳」と「巌」とは
「厳」は厳しいこと、「巌」はけわしいことを意味します。
語源で共通する点が見られます。
「厳」は「厳重・厳格・厳粛・厳守・荘厳・威厳・厳選」などと使います。
音は「厳・言」、訓は「おごそか・きびしい」となります。
「巌」は「巌窟・巌流佐々木小次郎・巌頭・巌壁」などと使います。
また、男性人名で「いわお」と使います。