倫理は「人として守るべき道のこと」。
人であれば有無を言わさず守らなければいけない、世の中に存在している考えそのものであると言えます。
道徳は「特定の社会の中で、人々が善悪の基準となるものを判断し、基準として設定しているもの」。
何が良くて、何がダメなのか?を判断する際に必要となる尺度という言い方ができるのです。
「倫理」の意味
倫理というのは、人であれば守るべき言動などの規範となるものです。
人であれば守るべき規範として世の中に存在しており、人々が自らの考えによって作り出したものというよりは、世の中に自然に存在している真理のような概念に近いです。
つまり、人によって、国や地域によって捉え方が特に変わる存在ではないものが倫理と言えるのです。
「道徳」の意味
道徳というのは、人々が守るべき善悪に関する基準ですが、社会ごとに、あるいは人によって異なる可能性を秘めています。
善悪の基準という点は倫理に近いですが、世の中に自然に存在しているものではなく、人々が考えに基づいて作り出したものと言えるので、国や地域が変われば、人によって道徳の内容も変わってくるということが言えるのです。
「倫理」と「道徳」の用法や用例
「人として絶対にやってはいけないことが世の中にはある。
そういった倫理観を持って、私たちは生きていかないといけないのだ。
それが人としての務めである。
」
「この社会では独自の道徳観がある。
この社会で生きている人たちの多くはその道徳を守りながら生活をしている。
この社会で仲良く生きていくためには、道徳を遵守することが不可欠なのだ。
」
倫理と道徳は自然か?人工か?
倫理というのは、人が決めた概念というよりは、人々の意思とは無関係に存在している善悪に関する基準と言えるのですが、道徳は社会ごとにその基準が変わるような状況になっています。
つまり、倫理は自然に存在していたものであり、道徳は人工的に人間が作り出したものと言えるのです。
そういった違いが最も分かりやすい倫理と道徳の違いとなるでしょう。