尊は「重きを置いて尊ぶこと」。
「本尊」と言い換えると分かりやすい。
敬は「敬う気持ちを態度で示すこと」。
「尊敬」と言い換えると分かりやすい。
「尊」は重要な存在として、尊び敬うことです。
「敬」は敬うべきものとして態度で表すことです。
「尊と敬」で「尊敬」という言葉になり尊び敬う態度を言います。
また、「尊」は尊ぶ対象に付ける言葉になります。
「尊」は尊ぶこと
「尊」は語原では「酒樽を手で捧げる様子」を表した字ですから、重要な存在にしか使えないことになります。
「釈尊は釈迦のこと」「本尊を祀る」「釈迦は誕生したときに唯我独尊と言った」「ご尊顔を拝し恐悦しごく」「心から尊敬するひと」「貴重な意見として尊重する」「尊厳がある」「幕末の尊王攘夷」「ご尊父様」などと使います。
「敬」は敬うこと
「敬」は目上の人や社会的地位にある人などを尊敬する態度を言います。
「尊敬の念を持つ」「拝啓」「警官や軍人は敬礼を必ず行う」「失敬な奴だ」「表敬訪問を行う」「皇室批判は昔なら不敬罪だぞ」「もっと敬意を持て」「目上の人には敬語を使いなさい」「今日は敬老の日だ」「敬称略」「ほとほと敬服をした」「敬白」などと使います。
「尊」も「敬」も似た類義語
「尊」も「敬」も相手を大事に思う気持ちは変わりません。
熟語もそのような意味が皆あります。
「尊」は人々のレベルをはるかに超えた存在に使うことが多く、「釈尊・本尊・大和武尊」など崇める対象に使われています。
「敬」も相手のことを重く見て最上級の言葉や態度で扱う「拝啓、敬白、表敬、敬礼」などの言葉にもなりました。
「尊」と「敬」とは
「尊」は尊ぶこと、最上級の尊称のことです。
語源は「酒樽を捧げる」形から作られているので、人々のレベルを超えた神の様な存在を崇めることを言います。
転じて、「大切に思っている人」に使う言葉になりました。
「敬」は相手を上に見て敬いの気持ちを態度に表すことです。
「敬愛」「一筆啓上」「敬礼」「敬服」「拝啓」「敬白」「尊敬」「敬老」などの言葉があります。