「ひつじ雲」とは中程度の高度に発生する高積雲のことです。
「うろこ雲」とはさらに高い場所に発生する巻積雲のことです。
「いわし雲」はうろこ雲の別の呼び方です。
ひつじ雲もうろこ雲も秋の風物詩として語られたり、俳句や短歌の季語として文学作品に表されることが多いですが、秋以外の季節にも発生することはあります。
「ひつじ雲」の意味
羊のようなフワフワの小さな塊が空に群れを成しているように見えることから名づけられた雲のことです。
正式な呼び方を「高積雲」といい、上空2000~7000mの高度に発生します。
色は白ですが、下部にできる陰によって灰色に見える部分があるのも特徴の一つです。
ひつじ雲が空に広がると翌日あたりに雨が降るとも言われます。
「うろこ雲」の意味
細かいく並んだ雲が、魚の表面を覆うウロコに似ていることから名づけられた雲のことです。
正式な呼び方を「巻積雲」といい、ひつじ雲より高い上空5000~13000mの高度に発生します。
ひつじ雲には影がありますが、うろこ雲には影がないことが、両者を見分ける特徴の一つです。
うろこ雲も近く雨になる兆しといわれることも多いのですが、輪郭がぼんやりとしたうろこ雲の場合は雨の可能性は低いです。
3つ目「いわし雲」の意味
うろこ雲の別の呼び方です。
不規則な斑点がサバの背の模様に似ていることから「サバ雲」と呼ばれることもあります。
いわし雲が空に広がると、イワシがたくさん捕れることから「いわし雲」と名付けられたという言い伝えもあります。
秋の高く澄んだ空に美しくひろがるいわし雲は、季語としても愛され、多くの俳句や短歌の中にも表れる。
空に広がる美しい雲たち
青く高く澄んだ秋晴れの空に、またある時は秋風の吹く優しいオレンジ色の夕焼け空に、群れを成すように、光り輝くウロコのように広がるひつじ雲、そしてうろこ雲。
空に見つけると思わず「秋だな」とつぶやきが漏れてしまいます。
両者とも規則的で、違いといえば大きさくらい、なので違いがあやふやな方も多い雲だと思います。
秋の空を見上げるとき、あの雲はひつじとうろこ、どちらかな、と自分にクイズを出してみるのも楽しいかもしれません。