撤退は「攻撃や危険を避けるために、その場を立ち去ること」。

「退却」と言い換えると分かりやすい。

撤収は「必要に応じて、その場を移動すること」。

「移動」と言い換えると分かりやすい。

「撤退」は止むを得ず退くというイメージが強い言葉です。

「撤収」は移動することが目的ですから、その場の後始末を付けることを言います。

「撤退」は退くこと

「撤退」は後退すること、退くこと、引き上げることですから、イメージは良くないことになります。

作戦的な「撤退」は良いのですが、攻撃されたための「撤退」は悪いイメージしかありません。

そのため、戦時中は軍の「撤退」のことを「転進」と言う言葉でごまかしていました。

「撤退を余儀なくされる」「撤退なのに転進と言った日本軍」などと使います。

「撤収」は移動のために引き上げること

「撤収」は退くことではなく、別の場所に移動する目的があります。

撤収する理由が後ろ向きの場合も、前向きの場合も考えられます。

退くことより移動する意味が大きい言葉になります。

その場の後始末をキチンとすることも「撤退」とは異なることです。

「自衛隊は設営していた建物や設備をすべて片付けて撤収を完了した」と使います。

「撤退「や「撤収」と似た言葉

「撤退」は後退、退去、退散、退場、退室などの言葉が類義語になります。

いずれも「退く」意味合いの強い言葉になります。

「撤収」は移動、撤去、後片付け、整理などの言葉が類義語となり、いずれも「跡をキチンとしてから移動」と言う意味合いが強い言葉になります。

「撤退」は片付ける余裕もなく、後を残したままのことが多くなるものです。

「撤退」と「撤収」とは

「撤退」は後退のことで、危険回避や敵の襲撃などによる後退のことを言います。

後ろ向きの行動となり、「撤退を余儀なくされた」と使います。

「撤収」は移動のためと言うニュアンスが強い言葉になり、移動するために時間を掛けて後片付けをキチンとするということを行います。

しかし、「撤退」と同じに使うこともあり、後ろ向きのイメージも、前向きなイメージも持ち合わせています。

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