無情は「情けや思いやりが無いこと。」
「冷酷」と言い換えると分かりやすい。
非情は「感情に捉われない様子のこと」。
「冷徹」と言い換えると分かりやすい。
どちらの言葉も感情がないことです。
無情は字のごとく「感情を失っている様子」で、非情は「感情を拒否すること」ですから、感情を捨て去ることです。
どちらにも情と言うものは存在しません。
「無情」は情け容赦ないこと
「無情」は感情があれば当然掛けるべき情けも無く、思いやりもない仕打ちのことです。
例えば「無情にも愛し合っている二人の仲は家の都合により引き裂かれてしまった」「苦労して作った砂山も無情にも波で消されてしまった」「永年住み慣れた我が家も、建て替えるために無情にも目の前で壊されてしまった」などと使います。
「非情」は感情に捉われないこと
「非情」は冷徹なこと、冷静な様子です。
感情的に左右されそうになっても、本来の使命を貫徹するなど冷酷な行動のことです。
例えば「昔、テレビドラマで非情のライセンスと言う番組を良く観たものだ」「交通取締まりは非情な一面がないと務まらない」「交通取り締まりで見逃してと言っても非情にもキップを切られた」「非情は冷血なこと」などと使います。
「無情」も「非情」も情けを掛けないこと
「無情」は本来情けを掛けなければならないことに、情けを掛けないことです。
「非情」は本来情けをかけてはいけないことに情けを掛けないことです。
例えば「子を虐待している親は無情だ」「民衆を虐殺する政権は無情だ」「交通取り締まりの警察官は何とも非情に感じる」「非情にならなければ情に流される」などと使います。
「無情」と「非情」
「無情」は情を掛けて許されるべき場合でも、許さないことです。
「非情は」情を掛けて許すようなことはしないことです。
「無情」の同義語では「冷酷・無残・残忍・残酷・情け容赦もない」などの言葉があります。
「非情」では「冷血・冷静・冷徹」などがあります。
いずれの言葉にしても、「情・おもいやり」は登場しません。