漢字の違う三つの「ツトメル」。
それぞれの意味は次のとおりです。
- 努める…目的のために頑張る
- 務める…役割を果たす
- 勤める…雇われて働く
間違えやすいので、一つずつポイントを整理していきましょう。
努めるの意味と例文
努めるとは「目的のために頑張る」ことです。
「努」には力を尽くすという意味があるので、目的を達成するために困難に立ち向かう場合は「努める」と書きます。
努めるの例文
- 合格を目指して受験勉強に努める。
- 信頼回復に努めて参ります。
- 努めて冷静になろうとした。
類義語の「頑張る」に言い換えられるかで考えると、他の二つと見分けがつきやすいでしょう。
務めるの意味と例文
務めるとは「役割を果たす」ことです。
仕事や人間関係での立場を全うすることを指し、役割の大小や雇用関係の有無は問われません。
例えば「親の務め」という言葉には、「親の立場を全うするために子供にはできる限りの世話をする」の意味が込められています。
務めるの例文
- 草野球の審判を務める。
- 主役を務めるのは今話題の若手俳優だ。
- 休日は家族サービスに務めています。
「~の役割をこなす」と言い換えられるのが「務める」だと覚えましょう。
勤めるの意味と例文
勤めるとは「雇われて働く」ことです。
役所や会社と雇用関係にあるかどうかがポイントで、雇用関係にないか、自発的な仕事には使われないのが特徴です。
毎日会社に出向いて仕事をしても、正式な雇用契約がなければ「手伝う」。
また自営業も「勤める」ではなく「営む」と言いますね。
勤めるの例文
- 春から勤めに出ることになった。
- 新聞社に勤めて十年になる。
- 私は勤め先の会社で営業部長を務めている。
「勤める」は「働く」に言い換えて考えましょう。
例文なら、「働き先の会社で営業部長の役割を果たしている」となります。