桃源郷という言葉は陶淵明という詩人の作品である「桃花源記」という散文作品で使われました。
ある漁師が船で川を漕いでいると桃の花が咲いた場所にたどり着きます。
その場所に住んでいた人々は彼を歓迎し数日間滞在しました。
帰り道に目印をつけておいたものの二度とその場所には誰もたどり着けませんでした。
この漁師が行った場所が「桃源郷」であり、世俗から離れた理想郷を表す言葉となったのです。
「桃源郷」の意味
桃源郷とは煩わしいことがない理想的な楽園のことを指します。
いわゆる世俗を離れた別世界のことです。
世俗とは世間一般の人々が住む現実世界のような場所です。
つまり、桃源郷とは、日常の生活を営んでいる世界から離れた理想的な世界ということです。
桃源郷の意味は同じでも人それぞれ異なる桃源郷があるのかもしれません。
これらは想像上の世界のため架空の世界とも言われたりします。
「桃源郷」の使い方
桃源郷という言葉を使うときは対比させるものが必要となります。
桃源郷が理想的な世界なのであれば、対比するものは自分にとって好ましくない世界を指すことになるでしょう。
一度見たらもう一度見てみたいと思うものや場所、しかし二度とみることができないような存在を示す時に桃源郷という言葉を使うことが適切となるのではないでしょうか。
「桃源郷」例文
夏に登山に行った時には緑の山々が私たちを迎え入れてくれて、清々しい気持ちで登山を行うことができました。
秋になり、同じ山を登ると夏とは違い真っ赤な紅葉が私たちを出迎えてくれました。
同じ山なのに全く違う顔を見せてくれる。
本当に現実世界なのか疑うくらいの景色でまるで桃源郷のようでした。
いつの日かまた見にいきたいですね。
「桃源郷」まとめ
桃源郷は現実世界ではなく、理想とする想像上の世界を指します。
最近では桃源郷のような世界を描いた小説や漫画が多くあります。
これは、きっと今の世界で生きている人達が桃源郷への憧れと現実世界からの解放に胸を膨らませていることの表れなのでしょう。
桃源郷という言葉を引き合いに出すときはその人にとって現実世界から少しの間だけ抜け出せたということかもしれませんね。