「伝統」は、有形無形の遺産として受け継がれてきた思想・技術・風習・しきたりなどの事柄です。
英語では「tradition」で表されます。
「長く培われてきた伝統」は「a long-established tradition」です。
「我が家の伝統を引き継いだ」は「I carried on the traditional of my family. 」です。
「因習」は、昔から伝わっているしきたりで、現在弊害を残すものです。
英語では「convention」で表されます。
「因習にとらわれる」は「be a slave to convention」です。
「因習にとらわれない」は「be unconcerned about conventionalities」です。
「因習を打破する」は「break down an old custom」「break down a long-established conventionalities」です。
「伝統」の意味
「伝統」は、ある民族や社会・団体が、長い歴史を通じて培い、伝えてきた信仰・風習・制度・思想・学問などをいいます。
有形無形の遺産として受け継がれてきた思想・技術・風習・しきたりなどの事柄です。
特に、それらの中心をなす精神的あり方をいいます。
またそれらを受け継ぐことです。
以下のように使います。
伝統ある母校 伝統を守る 伝統的手法 伝統を受け継ぐ 伝統建造物保存地区
伝統工芸 伝統芸能
「因習」の意味
「因習」は、昔から伝わっているしきたりで、現在弊害を残すものです。
古くから伝わっている風習です。
多くの場合、時代に不適なものに対し避難の意味をこめて用います。
以下のように使います。
因習にとらわれる 因習を打ち破る 因習になずむ
☆「因習」と「因襲」
「因習」と「因襲」は、本来別の意味を持つ言葉でした。
「因襲」は、共同体によって保たれた伝統的な行動様式を指しました。
ただし、違反した場合には、その共同体からの非難・制裁が伴います。
「~する」の形でも使いました。
「旧弊を因襲する」のように使います。
現在では「因習」と同じ意味で使います。
伝と因の漢字
「伝」
字義は「つたえる」「つたえ」「のべる・解釈する」「とりつぐ・通ずる」です。
解字では、「人+專」で構成されます。
「專」の部分は「めぐらす」を表します。
これらから「人から人へとぐるぐると物事をまわす」を表し「つたえる」を意味します。
「因」
字義は「よる・ふまえる・もとづく」「おこり・原因」「ちなむ・縁がある」「よすが・理由」「よって・それにつれて」です。
解字では、「口+大」で構成されます。
「口」の部分は「しとね」の象形です。
「大」は「人」の象形です。
これらにより「人が褥(しとね)にふしたさま」を表し「よる」を意味します。
「伝統」は、 有形無形の遺産として受け継がれてきた思想・技術・風習・しきたりなどの事柄、 「因習」は、 昔から伝わっているしきたりで、現在弊害を残すものです。
「伝統」「因習」は、類語です。
共通する意味は「昔から伝えられている習わしやしきたり」です。
「伝統」は、長い間に形成され、受け継がれてきた技芸・風習・思想などのしきたりや様式をいいます。
「因習」は、昔から続いている風習で、現在では弊害が生じているものをいいます。
☆「捕らわれる」
「捕らわれる」は「囚われる」と書く場合もあります。
やや古い言い方です。
①捕らえられることです。
②因習・伝統・固定観念などに拘束されることです。