「くれる」は、相手が自分または自分側の人に物を与えることです。
英語では「give」「award」「present」で表されます。
「彼は月に一度は手紙をくれる」は「He writes to me once a month. 」です。
「それをくれないか」は「Will you give it to me? 」「May I have it? 」です。
「くださる」は、「お与えになる」という意味です。
英語では以下のように表されます。
「私にプレゼントをくださった」は「He gave me a present. 」です。
「その本をわたしにくださるのですか」は「Is this book for me? 」です。
「賜る」は、「くれる」の謙譲語「与える」の尊敬語で、やや古い言い方です。
英語では以下のように表されます。
「これは宮中から賜った杯だ」は「This cup was an Imperial gift. 」です。
「その受賞者は陛下に謁見を賜った」は「The prizewinner was granted an audience with the emperor. 」です。
「くれる」の意味
「くれる」は、他動詞の場合、以下のような意味です。
①相手が自分または自分側の人に物を与えることです。
②自分または自分側の人が相手に物を与えることです。
また、相手に好ましくない行為を加えることです。
「拳骨をくれる」のように使います。
以下のように使います。
弟が土産をくれた 旧友が手紙をくれた 金をくれる
何か変わったことがあれば電話をくれ
「くださる」の意味
「くださる」は、以下のような意味です。
①「与える」「くれる」の尊敬語です。
「お与えになる」「下賜なさる」と同じ意味です。
②「いただく」「頂戴する」と同じ意味です。
特に「食う」「飲む」をへりくだって言う場合に使われます。
東海道中膝栗毛(5)に「ハイ酒は好きで一升酒をくださります」とあります。
③動詞と共に使い、恩恵を受ける立場に立って「動作主が恩恵を与える」という意味で敬意をこめて使います。
「お守りくださる」のように使います。
以下のように使います。
先生が本をくださった 優勝者には賞くださる お金をくださる
「賜る」の意味
「賜る」は、以下のような意味です。
①「もらう」の謙譲語です。
「いただく」「頂戴する」と同じ意味です。
②「与える」の尊敬語です。
やや古い言い方です。
「陛下がお言葉を賜る」のように使います。
以下のように使います。
神の賜った恵みに感謝する お金を賜る ご愛顧賜りますようお願いします。
恩恵を賜る 優勝者には賞を賜る
「くれる」は 相手が自分または自分側の人に物を与えること、「くださる」 は「お与えになる」という意味、「賜る」 は「くれる」の謙譲語「与える」の尊敬語で、やや古い言い方です。
「与える」「授ける」「恵む」「施す」「やる」「あげる」「差し上げる」「くれる」「くださる」「賜る」は、類語です。
「供する」「供与」「提供」「授与」「恵与・けいよ」は、これらの言葉の関連語です。
共通する意味は「ある者が、ある物の方へ利益となる物事を移動させること」です。
「くれる」は「同等以下の者から表現者やその近親の者へ物品を移動する」という意味で使われます。
「くださる」「賜る」「上位の者から表現者やその近親者へ物品を移動する」という意味で使われます。
共に「くれる」の尊敬語です。
「賜る」の方が敬意は高く表現されます。
「賜る」は「もらう」の謙譲語としても使われます。
「やる」「くれる」「くださる」は、「友だちにノートをみせてやった」「友だちがノートをみせてくれた」のように動詞の後に「~て」を挟んで接続します。
動詞の表す行為に伴う利益の移動を意味します。