首相とは、国家の行政府である内閣がある場合に置かれる「内閣の長たる閣僚」の呼称です。
ただし、首相の正式名称は各国で異なっています。
内閣総理大臣は、「日本における内閣の長たる閣僚」つまり日本の「首相」を指します。
時折、政治ニュースで出てくる「総裁」は、行政機関や日本銀行における長の呼称として使われることが多いです。
「首相」の意味
首相とは、議院内閣制を採用している国に置かれている内閣を主宰する首席の大臣を意味します。
英語では「prime minister」とよばれていますが、直訳すると、「最も重要な、第一級の大臣」となります。
諸外国における内閣の首席大臣に相当する役職は、その国により名称が異なりますが、日本では慣例的に首相とよんでいます。
たとえば、フランスやイタリアでは「閣僚評議会議長」、中国では「国務院総理」が正式名称ですが、ニュースではすべて「首相」と呼びならわされています。
「内閣総理大臣」の意味
内閣総理大臣は、日本における内閣の長たる大臣の名称です。
日本国憲法第66条において、「内閣は、…その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。
」と定められており、法的に正式な役職名となっています。
内閣総理大臣は、国務大臣を任命・罷免し、時には衆議院の解散を行う権限を有しています。
日本では、軍人ではない文民であり、国会議員の中から国会の議決によって指名され、天皇より任命されます。
現在は安倍晋三氏が2017年よりその職についています。
「総裁」の意味
総裁とは、行政機関等における最終決定権を有するトップの役職名として使われています。
政治の世界においては、自由民主党の党首の名称として耳にすることが多いです。
自由民主党は、1955年に日本自由党と日本民主党が合併して誕生しましたが、このときの両党の党首も「総裁」となっていました。
さらに戦前では、政党の代表としての役職として多用されていたようです。
自由民主党はこれらの政党の流れをくんでいることから、現在もなお総裁となっているのです。
自由民主党総裁は、基本的には内閣総理大臣として政権を担っており、現時点で総裁でありながら内閣総理大臣になっていないのは、河野洋平氏・谷垣禎一氏の2名です。
首相、内閣総理大臣、総裁。
いろいろ飛び交うが…。
首相は、日本においては、政府である内閣のトップのことを指すことが多いです。
ニュースや新聞などでは字数に限りがあるので、首相と言ったほうがより必要な情報を盛り込むことができます。
「総理」とよぶのと同様の感覚でしょう。
日本では法的には「内閣総理大臣」が正式な名称ですので、国会で首相とよばれることはまずありません。
また、自民党出身の内閣総理大臣(首相)が「総裁」と呼称されるのは、選挙のときに多いです。
つまり、内閣総理大臣は国会議員から指名されるので、特に衆議院議員総選挙のときは国会議員ではないという見方になるので、自民党総裁として呼ばれることがあるのです。