「主幹」と「主管」は同じ「シュカン」という読みの言葉です。
しかし、「主幹」は「木の幹のうち、複数あるもののなかの中心的な位置を占める幹」のことを意味し、そこから「ある仕事をまとめる中心的存在」という意味を持つようになりました。
「主管」は「主となる役割を果たす存在として仕事を管理・管轄する」という意味です。
「中心となって管理する」ということになります。
主幹の意味
「主幹」とは樹木の中の中心として支える幹のことから転じて、現在では「業務を統括するまとめ役としての存在」の意味としても用いられます。
企業・団体によっては、役職名にも用いられています。
地方自治体では広く使われており、課長補佐や係長クラスの職名として充てられることがあります。
近年では、教職員の職名のなかに「主幹教諭」が登場し、教諭の取りまとめ役を期待されているというのがあります。
主管の意味
「主管」とは、「ある業務を主となって管理する、管轄する」という意味で使われています。
例えば、組織における管理職には「主管的責任」というのがあります。
これは「職員を管理する主導者としての責任」ということです。
また、国会や中央省庁において、主としてある分担業務を管理しているという意味で「主管省庁」「主管課長」という使い方があります。
主幹と主管、職名にあるのは
企業や行政機関において、いろいろな職名がありますが、「主幹」のほうが広く用いられています。
公務員の世界では、課長補佐・係長級の職員に対して「主幹」が存在し、さらにその下に「副主幹」があることが多いです。
「主幹」になると、課長になるまであと少しということになり、中間管理職的な存在となっていきます。
民間企業では、ほとんど見られません。
また、「主管」は基本的に職名として用いられることはあまりなく、「業務を管理する主要な部署のスタッフ」という意味で「主管課長」と呼ばれることはあっても、これは職名ではありません。
主幹と主管、「まとめ役」か「メインとなって管轄」するか
主幹は、仕事の中心的存在という意味があります。
そのため、ある仕事のまとめ役を表す役職名としても使われることがあります。
一方、主管は、ある特定の仕事をメインとなって管理・管轄するという意味があることから、役職としてというよりは、このスタッフ・部署がメインとなっているという意味で用いられることがあります。
読みは同じで、漢字の雰囲気も同じように見えますが、「まとめ役」という存在を表すのか、「主として管理する」という動きを表すのかという違いが存在します。