「取り持つ」は、双方の間に仲介に立つことです。
英語では以下のように表します。
「仲立ちする」という意味の場合「bring together」「mediate」です。
「仕事を世話する」などという意味の場合「use one’s influence」です。
「対応する・もてなす」という意味の場合「treat」「entertain」です。
「橋渡し」は、仲立ちをすることです。
英語では「intermediate」で表されます。
「その出来事は二国間の橋渡し役をした」は
「The incident served to bridge the gap between two nations.」です。
「仲介」は、両方の間に立って便宜を図ることです。
英語では以下のように表します。
「調停」の意味の場合「mediate」「mediation」です。
「仲立ち」の意味の場合「intermediate」「intermediation」で表されます。
「取り持つ」の意味
「取り持つ」は、以下のような意味です。
①手に取って持つことです。
「握る」ことです。
万葉集(3)に「手には木綿取り持ち」とあります。
②身に引き受けて行うことです。
責任をもって政務などを行うことです。
万葉集(17)に「大君の命かしこみをす国のこと取り持ちて」とあります。
③客や出席者の気をそらさにように上手に相手をすることです。
源氏物語(若菜下)に「宮たちの御あつかひなど取り持ちてし給ふ」とあります。
④しっかり心に抱くことです。
徒然草に「いずかたをも捨じと心に取り持ちては事も成るべからず」とあります。
⑤双方の間に仲介に立つことです。
周旋することです。
「とりなし」のことです。
両者の間に立って事がうまくいくように世話することです。
「仲立ち」をすることです。
以下のように使います。
二人の仲を取り持つ 雨の取り持つ縁
座を取り持つ 旅の取り持つ縁
「橋渡し」の意味
「橋渡し」は、橋をわたすことです。
橋を架けることです。
あるいは、仲立ちをすることです。
また、その人のことです。
以下のように使います。
両国の間を橋渡しする 取引の橋渡しをする
二人の間を橋渡しする
<橋の漢字>
字義は「はし」「はねつるべの横木」「たかい」です。
解字では、「木+喬」で構成されます。
「喬・きょう」の部分は、「たかい」を表します。
これにより、「谷川に高くかけられた橋」を意味します。
<関連語>
「取り次ぐ」は、間に立って、一方から他へ物事を伝達することです。
「伝言を取り次ぐ」「客を取り次ぐ」のように使います。
「介する」は、仲介することです。
「人を介して面会を求める」のように使います。
「仲介」の意味
「仲介」は、以下のような意味です。
①両方の間に立って便宜を図ることです。
「仲立ち」のことです。
当事者双方の中に立って間を取り持ち、物事を取りまとめることです。
また、その役を指します。
②紛争解決のため当事者間に第三者が入って仲介することです。
国際法では「居中調停」といいます。
以下のように使います。
仲介の労をとる 住民側と工場側の仲介にあたる
土地の売買を仲介する 二人の間を仲介する
不動産売買を仲介する
「取り持つ」は 双方の間に仲介に立つこと、 「橋渡し」は 仲立ちをすること、 「仲介」は、 両方の間に立って便宜を図ること
「取り持つ」「橋渡し」「仲立ち」「仲介」「媒介」は、類語です。
「取り次ぐ」「介する」は、関連語です。
共通する意味は「二者の間に入って、良好な関係を結ばせること」です。
「取り持つ」は、二者の間に立って、その関係が良好なものとして成立するように働く意味です。
「橋渡し」は、面識が無かったり、交流が活発でない二者の間に立ち、新たに親しい関係を成り立たせたりすることです。
「仲立ち」は、二者の間に立って、話の取次ぎをしたり、いろいろな面倒を見たりして、話をうまくまとめることです。
「仲介」は、面識がなかったり、激しく対立したりして、直接話を進めることの難しい二者の間に立って、話をまとめたり、良好な関係にしたりすることです。
売買の契約をまとめたりすることの意味においては、「周旋」と類似しています。
「媒介」は、「昆虫が媒介して受粉する植物」のように、多くの場合、動物の関係について用いられます。