王道は「武力によらない全うな政治のこと」。

「文政」と言い換えると分かりやすい。

正攻法は「定石通りの攻めのこと」。

「定石」と言うと分かりやすい。

王道の語源は「文政・近道」など多少違和感があるものですが、現在では正攻法・定石と同じ意味で使われています。

また、「王道なし」と使う場合は、語源に近い「近道・安易な方法」という意味になります。

「王道」には正反対の意味があります。

「王道」は「王が歩むべき道」の意味から「全うな正攻法な道」となったものと、「王が望んだ安易な近道」という意味から「安直な近道」という意味で使われるものとがあります。

意味が真逆になったことは不明ですが、使い訳はなされているようです。

「安直の近道」の意味では「~に王道なし」という言い方で浸透しています。

「正攻法」は奇策によらない定石通りの攻め方のことです。

「正攻法」は安易・安直な奇策・機略をしないで、真っ当な定石を踏んで進むことで、定まっている方法や最善の方法を踏襲して物事を処理することです。

例えば「奇策も場合により効果はあるかも知れないが、失敗の危険もあるのでここは正攻法で行こう」「正攻法を軽視してはいけない」「もし、安全な正攻法があれば教えていただきたい」などと使います。

「王道」は「王道なし」と使うことが多い。

「王道」を正攻法とする見方はありますが、ほとんどは「学問に王道なし」と使うものです。

この場合は「安易な道、近道」という語源的に近い意味になります。

故事によれば王が幾何学に近道はないかと問うと「幾何学に王道はなし」と賢者が言ったことが由来、王が敷いた近道から由来しているなど諸説がありますが、「安易な近道」では一致したものです。

「王道」「正攻法」とは。

「王道」は「正攻法」と「近道」「安易な方法」という真逆な意味を持つ言葉です。

「近道」「安易な方法」という意味から「学問に王道なし」という言葉を真似て、今では「ピアノの修得に王道なし」「将棋の道に王道なし」「競馬に王道なし」など、一定の経験・訓練が必要なことに「~に王道なし」という言葉が頻繁に使われているのです。

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