「苦笑」は、「苦笑い・にがわらい」のことです。
「彼の失敗を見て思わず苦笑する」のように使います。
英訳する場合、「Give a wry smile/ give a bitter smile/smile wryly 」で訳されます。
「失笑」は、笑ってはならない場面で、おかしさに耐えられず噴き出して笑うことです。
「失笑を買う」「思わず失笑する」のように使います。
英訳する場合、「Burst out laughing 」で訳されます。
「苦笑」の意味
「苦笑」は、苦々しく思いながら仕方なく笑うことです。
「苦笑い・にがわらい」のことです。
「苦笑を漏らす」「苦笑を禁じ得ない」「生徒に誤字を指摘されて先生は苦笑した」「彼女の無邪気な質問に苦笑した」のように使います。
英訳する場合、「Give a wry smile/ give a bitter smile/smile wryly 」で訳されます。
I cloud not suppress a wry smile at his ignorance. (彼が何も知らないので苦笑を禁じ得ない)
「失笑」の意味
「失笑」は、思わず笑うことです。
こらえきれずにふきだすことです。
「彼女は愚かな言動のために失笑を買いました」「彼女の奇抜なファッションにおもわず失笑した」のように使います。
「失笑を買う」・・・愚かな言動のために他人から笑われることです。
英訳する場合、「Burst out laughing 」で訳されます。
Everybody burst out laughing at her funny answer. (彼女の珍妙な回答に皆失笑した)
「苦」「失」の字義と解字
「苦」の字義(漢字の意味)は、「にがい」「にがにがしい」「苦菜・にがな」「くるしい」「ひどい」「あらい」「さえわたる」
「仏教用語・前世の悪行のために受ける苦しみのこと」です。
解字(漢字の解説)に於いて、「苦」は「艸+古」で構成されます。
「古」の部分は、「固」に通じ「かたい」という意味です。
「固い草」の意味から「にがい菜」を表しています。
「失」の字義(漢字の意味)は、「うしなう」「あやまち」「ふでき・失敗」です。
「あやまち」の意味の場合、「油断してしくじる」という要素が含まれます。
解字(漢字の解説)に於いて、「失」は「手+乙」で構成されます。
「乙」の部分は、「手からそれた物」を示しています。
そのことから「うしなう」という意味を表します。
「苦笑」は苦々しく思いながらもしかたなく笑うこと、「失笑」はこらえきれずにふきだすこと
「苦笑い」「苦笑」「微苦笑・びくしょう」は類語です。
共通する意味は、「苦々しく思いながらもしかたなく笑う」です。
以下のように使います。
「生徒に黒板の誤りを指摘されて先生は苦笑いを浮かべた」
「知ったかぶりの説明に苦笑を禁じ得ない」
「孫の無邪気な質問に祖父は微苦笑した」
「苦笑」は改まった表現として使います。
「微苦笑」は、作家・久米正雄の造語です。
「微笑」と「苦笑」の混じった笑いのことです。
「失笑」は、思わず笑うことです。
こらえきれずにふきだすことです。