「思わず」は、「無意識に」という意味です。

英語では「without realizing it」「unconsciously」「in spite of oneself」「instinctively」で表されます。

「気づかずに」という意味の場合「without realizing it」「unconsciously」を使います。

「自分の意志に反して」という意味の場合「in spite of oneself」です。

「本能的に」という意味の場合「instinctively」です。

「思わずため息が出る」は、「sigh unconsciously」です。

「思わず笑いだす」は「laugh in spite of oneself」です。

「うっかり」は、気抜けして、ぼんやりしたさまです。

英語では「unintentionally」「involuntarily」「by mistake」で表されます。

「うっかりして駅を3つも乗り過ごした」は「I was daydreaming and was carried three stops beyond my destination.」です。

「うっかり兄の本を持ってきました」は「I brought my brother’s book by mistake.」です。

「つい」は、意図しないで不注意ながらそうしてしまうさまです。

英語では「by mistake」「carelessly」「inadvertently」で表されます。

「つい傘を間違えた」は「I carried off another person’s umbrella by mistake.」「I carelessly walked off with the wrong umbrella.」です。

「つい怒鳴ってしまった」は「I shouted in spite of myself.」です。

「思わず」の意味

「思わず」は、以下のような意味です。

①心外であるさまです。

源氏物語(夕霧)に「御心ざまの思わずなりし時いと憂しと思ひしかど」とあります。

②意外であるさまです。

土佐日記に「かくはいふものか。

・・・いと思わずなり」とあります。

③副詞的に使う場合、「そうしようと思ったわけでもないのに」「無意識に」という意味です。

以下のように使います。

嬉しさのあまり思わず抱きしめた 思わず顔をそむけた
思わず悲鳴を上げた 思わずかっとなる
疲れて思わずうとうとした 思わず本音を吐く 思わず痛いと叫んだ

「うっかり」の意味

「うっかり」は、気抜けして、ぼんやりしたさまです。

物事に気づかず、不注意であるさまです。

注意が散漫で、不都合な結果を引き起こすさまです。

※「うっかり口を滑らせる」と「つい口を滑らせる」では、行為の不適切さでは共通します。

しかし、前者は注意力に欠如に注目して使います。

一方、後者は、行為の無意図性に注目して使います。

「ついうっかり道を間違えた」のように重ねて使うこともできます。

以下のように使います。

うっかり書き間違える うっかり忘れる
うっかりして乗り越えた うっかり本年を吐く

「つい」の意味

「つい」は、以下のような意味です。

①「はからず」「思わず」という意味です。

意図しないで不注意ながらそうしてしまうさまです。

②時間や距離が解らないさまです。

「ちょっと」という意味です。

③動作の素晴らしいさまです。

狂言の月見座頭に「歌の一首や二首はつい詠む事でおりやる」とあります。

※強めて言う場合「ついつい」と重ねます。

以下のように使います。

つい先ほど つい近くまで来ています。

甘いものを見るとつい手が出る つい言いそびれてしまった
つい長居をしてしまう ついさっき帰った つい目と鼻の先にある

<関連語>
「無意識」は、はっきりした意識なしにおこなった動作に対して瞬間の動作を表す動詞と一緒に使います。

「無意識のうちに手が出てしまった」「無意識に頭を?く」のように使います。

「ひょっと」は、「うっかり」の意味の俗語です。

「会社の秘密をひょっとくちにだしてしまった」のように使います。

「思わず」 は、「無意識に」という意味です。

「うっかり」は 気抜けして、ぼんやりしたさま、「つい」は、 意図しないで不注意ながらそうしてしまうさまです。

「思わず」「うっかり」「つい」「知らず知らずのうち」は、類語です。

「無意識」「ひょっと」は、これらの言葉の関連語です。

共通する意味は「はっきりした意識なしにそうしてしまうさま」です。

「思わず」は、多くの場合、他からきっかけや刺激を与えられて、瞬間的にある行動をとってしまうさまをいいます。

「うっかり」は、不注意でしてしまう動きに使われます。

「つい」は、外から働きかけられてしまった時に使われるため、多くの場合、いずれも後悔の気持ちを伴います。

また、「つい」は、他の三語とことなり「ケーキを見るとつい手が出る」のように、多くの場合、条件反射的・習慣的に事を行ってしまう時に使われます。

「知らず知らずのうち」は、いつの間にかある動作をとるようになっているという継続の意味が強いため、「叱る」「叫ぶ」「消す」など瞬間的な動作を表す語とは一緒に用いません。

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