あふれるは、「すでに器の中がいっぱいの状況の中、液体などが流れ落ちていく様のこと」を指します。
一方で、こぼれるは「器が傾いたり何らかの振動を与えられることによって、中に入っていた液体などが流れ落ちていく様のこと」を指します。
どちらも流れ落ちる様を指していますが、その状況に至るまでの過程が異なります。
「あふれる」の意味
あふれるの意味は、「いっぱいになって、こぼれること」です。
例えば、すでになみなみと注がれたコップに対して、さらに水を流し込むことによって、器の中に水が入りきらずにあふれ出てきてしまう状態のことを指します。
他にも「涙があふれる」という言葉がありますが、目に涙を溜めきれずにとめどなく流れ出てきている様子を表しています。
「こぼれる」の意味
こぼれるの意味は、「振動などによって容器のものが飛び出てしまうこと」です。
例えば、「醤油をこぼしてしまった」とは言いますが、「醤油があふれてしまった」とは言いませんよね。
このように、容器に対して何らかの衝撃を加えたことによって、液体などが出てきてしまう様を表しています。
「あふれる」と「こぼれる」の用法や用例
「あふれる」の使い方としては、「詰め替えの洗剤が入れすぎであふれてしまった」など物理的に何かがあふれ出している様子にも使えます。
他にも、「素晴らしいコンサートに感動の気持ちがあふれた」など、感情がこらえきれずに涌き出す様子にも使えます。
一方、「こぼれる」の遣い方としては、「お茶がこぼれる」などの意図せずに何かをこぼしてしまう意味に使用できます。
他に、「笑みがこぼれる・涙がこぼれる」などの表情の変化や瞬きをすることによって生じる様を表すこともできます。
言葉の意味を知って上手に使いこなそう
今回は、「あふれる」と「こぼれる」の違いについて説明してきましたが、日本語というのは他にも紛らわしいものがたくさん存在しています。
それぞれの言葉の正しい意味を知り、うまく使いこなすことによって、周りから「出来る人だな」と思われるような人間になっていきましょう。