世界中の様々な料理で使われる、ハーブの一種の名前です。

独特な香りを持ち、その香りがカメムシに非常によく似ていることからカメムシソウなどと呼ばれることもあります。

その歴史は非常に古く、さかのぼれば古代ローマや古代ギリシアでも薬草として用いられていました。

原産地は地中海東部で、種子や葉や茎が食用として使われます。

様々な名で呼ばれる薬草コリアンダー

コリアンダーは英語由来の呼び名です。

その語源はラテン語のコリエンドルムといわれています。

さらにそのコリエンドルムの語源となった言葉は古代ギリシアの言葉だとされています。

どれもこの古い薬草のことを指す言葉であり、その歴史の古さから、世界各地で様々な名前で呼ばれています。

中国ではシャンツァイ、タイではパクチーと呼ばれており、これらの名前も現在の日本においてよく耳にする名前です。

ベトナムではサウムイ、ポルトガルではコエントロと呼ばれています。

コリアンダーと聞いて連想されやすいもの

世界各地の料理に使われているハーブ、コリアンダーですが、コリアンダーという名前で呼ばれるときは往々にして乾燥した状態のものを差すことが多いようです。

このハーブをコリアンダーと呼ぶ地方では、乾燥させた状態で料理に使用することが多いためでしょう。

一方で中国やタイでは生のまま使用することが一般的であるため、生の状態で食す際はこれらの名前で表記されることが多いです。

薬味として使用される葉、香辛料として使われる種

コリアンダーは全て食用として食べることができる植物ですが、世界中で使われておりもっともポピュラーな部位は葉になります。

カメムシに似ていると言われる独特で強烈な匂いは、主に食材のくさみを消すために、薬味として用いられてきました。

ですが葉自体の栄養は非常に豊富で、ビタミンCやビタミンB1、ビタミンB2などを豊富に含んでいるため、美容にいいともされています。

また医学的に裏付けされたものではないにせよ、体内の毒素を排出させる効果があるとも唱えられています。

ヨーロッパやインドでは、種を香辛料として使用します。

コリアンダーシードと呼ばれ、葉と違い、種は柑橘系の果物に似た爽やかな香りがあります。

カレーに入れたり、紅茶に入れたりする他、クッキーのようなお菓子にも用いられます。

古くから世界の食生活にあった貴重な薬草

栽培されてきた歴史は非常に古く、植物として生命力が強いため栽培するのも簡単なハーブであるコリアンダーは、世界各地で昔から人々の食生活の傍らにあった伝統的な薬草でもあります。

日本では決して馴染み深い食材とは言えず、物珍しさから取り上げられたり、独特な香りによって嫌われたりすることも多い存在ですが、豊富ない栄養素と幅広い用途はこれからもっと生活に浸透していくかもしれません。

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