弁は「わきまえること、調節弁のこと」。
「安全弁」と言い換えると分かりやすい。
辯は「明らかにすること、正すこと」。
「辯護士」と言い換えると分かりやすい。
現在は「弁」で表されているものは、昔は「辯」などの難しい漢字を使っていました。
今でも「弁護士」を「辯護士」とこだわる人もいます。
旧字体には「辯、瓣、辨、辧」などがあります。
「弁」は様々な意味を持つ言葉
「弁」は略字となっていますが、「辯」などの旧字は難しい字を使っていました。
いろいろな「べん」があり、意味も様々なのです。
「わきまえる」と言う意味が元々あり、戦後になり旧字が「弁」に統一されたため意味が重複してしまいました。
「述べる、流体や圧力の制御弁、地方の方言、けじめをつけること、理屈、花びら」など多彩な意味を持ちます。
「辯」は「弁」の旧字の一つ
「辯」は「述べる」と言う意味があります。
「言」を使った旧字体になり、「弁護、雄弁、弁舌、弁論、関西弁」などに使われていました。
戦後の常用漢字制定の際に「弁」と簡略化した漢字に置き換えられたもので、従来あった「弁」や他の旧字の「瓣、辨、辧」と統一されました。
「辯/弁」は字体の衝突現象を起こした字の一つになります。
「弁、辯、瓣、辨、辧」の意味
「弁」は旧字体を統合し、従来の意味も持つ簡略漢字です。
「わきまえる」と言う意味になります。
「辯」は「述べる」と言う意味で「弁護、弁舌、雄弁」などと使います。
「瓣」は「花弁、安全弁、弁膜症」などに使い、「辨」は「弁当」に使われ、「辧」は「分ける」と言う意味になります。
これらの意味はすべて「弁」に置き換えられています。
「弁」と「辯」とは
「弁」は多くの旧字が戦後の漢字改革により略字化されたため、「辯」なども略字となりました。
本来の意味の「わきまえる」の外に様々な意味が加えられたのです。
「辯」は旧字の一つで「述べる」と言う意味があり「弁護士、弁舌、弁論、雄弁」等に使われていましたが、現在は「弁」となっています。
「瓣、辨、辧」等の漢字も簡略化され「弁」となりましたので、意味が多くなったものです。
「字体衝突」を起こしている字になります。