「犠牲」は、ある目的を達するために、それに伴う損失を顧みないことです。

英語では「a sacrifice」で表されます。

「どんな犠牲を払ってもその書類を手に入れたい」は「I want that document at any cost. 」です。

「父はその火事の犠牲になって死んだ」は「My father was a victim of the fire. 」です。

「いけにえ」は、ある目的のために犠牲となることです。

英語では「a sacrifice」で表されます。

「彼は今回の不正事件のいけにえとして免職になった」は「He was made a scapegoat in the recent scandal and was discharged. 」

「償い」は償うことです。

また、そのための財物です。

英語では「(make) compensation」「(make) reparation」「 (make) atonement」で表されます。

「代償」という意味の場合「(make) compensation」「(make) reparation」を使います。

「罪の償い」という意味の場合「 (make) atonement」です。

「彼は自分の犯した過ちに対してもう十分な償いをした」は「He has made atonement in full for the wrong he did. 」

「犠牲」の意味

「犠牲」は、以下のような意味です。

①天地・宗廟を祭る際にささげられる生きた動物です。

また、供儀のために殺した動物です。

②身命をささげて他のために尽くすことです。

ある目的を達するために、それに伴う損失を顧みないことです。

③自分の意志によらず、戦争・天災・事故などで生命を失ったり傷ついたりすることです。

以下のように使います。

仕事のために家族を犠牲にしている 飛行機事故の犠牲者 犠牲を払う

「いけにえ」の意味

「いけにえ」は、以下のような意味です。

①生きたまま贄として神に供える生き物です。

②ある目的のために生命、または、名・利を捨てる人です。

ある目的のために犠牲となることです。

以下のように使います。

政略結婚のいけにえとなった人 会社再建のいけにえとなった
いけにえを捧げる いけにえになった動物

<スケープゴート・scapegoat >
「いけにえの山羊」という意味です。

出典は旧約聖書「レビ記」です。

贖罪のために山羊にその罪を負わせて野に放ったという故事からこの言葉が生まれました。

転じて、現代では「民衆の怒りや不満を鎮めるために、代わりに攻撃の標的とされる者・集団・民族など」という意味で使われます。

「償い」の意味

「償い」は、償うことです。

また、そのための財物です。

「埋め合わせ」と同じ意味です。

以下のように使います。

交通事故で相手に与えた損害の償いをする  罪の償い

<関連語>
「えじき」は、「鳥獣の餌となる食物」という意味から転じて、他者の利益や欲望の犠牲となることです。

また、犠牲となった物を指します。

自分の目的ではなく他者の利益や欲望のための被害者です。

「餌食」とも書きます。

「マスコミのえじきとなったスター」のように使われます。

「好餌・こうじ」は、「良い餌」という意味から転じて、人を誘うためのもの、また、人の犠牲になりやすいものについていいます。

「訪問販売の好餌になった」のように使われます。

「犠牲」は ある目的を達するためにそれに伴う損失を顧みないこと、 「いけにえ」は ある目的のために犠牲となること、「償い」は 償うこと、また、そのための財物です。

「犠牲」「いけにえ」「償い」は、類語です。

「えじき」「好餌」は、これらの言葉の関連語です。

共通する意味は「ある目的のために生命や体、大切な物・事をささげること、またその捧げもの」です。

「犠牲」と「いけにえ」は、もともと神に備える生きた動物の事でした。

「犠牲」には「天災や不測の事故などで生命をむなしく奪われること」という意味もあります。

「償い」は、与えた損害、犯した罪を金銭・品物・労働などで埋め合わせすることです。

またその物をいいます。

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