触りは「感触、または話の要点のこと、歌の聞かせどころのこと」。

「感触」と言い換えると分かりやすい。

障りは「差し障りのこと、不都合なこと」。

「邪魔」と言い換えると分かりやすい。

どちらの言葉も「さわり」と読みますから似ているのですが、話の展開でどちらを言っているのかは判断が出来ます。

「触り」は義太夫節から出た言葉になります。

「触り」は感触のこと

「触り」は感触のことで、手触り、肌触りなどと使います。

また、義太夫節の聞かせどころを言ったことから、歌曲や音楽で最も聞かせたい箇所や話の要点などを言う様になりました。

「これからこの曲の触りになります」「触りだけでも教えて」「先にこの長い話の触りの部分をお話します」「手触りの良い絹」「何か肌触りが良くない下着」などと使います。

「障り」は差し障りのこと

「障り」は差し障りや不都合のことを言います。

何かの障害になるもの、妨げになるもの、病気になることなどを言います。

「体に障りますよ」「差し障りがなければ進めて下さい」「そのことはお見合いの障りとなるかも知れない」「なんとも耳障りな音楽だ」「耳障りだから静かにして」「目障りだからどこかに行って」などと使います。

「触り」と「障り」は混同される言葉

例えば「みみざわり」と言う言葉について「耳障り」なのか「耳触り」なのか迷う場合が出てきます。

常識的には「耳障り」なのですが、場合により「耳触り」を使っていることがあります。

「耳触り」は聞こえ方、耳が感じている音などの意味で悪い意味はありません。

これは「舌触り」「手触り」などの言葉の連想として「耳触り」が使われているということです。

「触り」と「障り」とは

「触り」は話しの要点や曲の一番聞かせたい旋律のことを言います。

語源は義太夫節の聞かせどころから来ています。

「この話の触りは次の通りです」「触りのフレーズ」「触りを滔々と歌う」「手触り・舌触り」などと使います。

「障り」は差し障り、不都合、妨げ、病気などの意味になります。

「差し障りがある」「耳障りと耳触りの違い」などと使います。

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