「直喩」は、喩(たと)えるものと喩えられるものを直接比較して示す方法です。

英語では「a simile」で表されます

「隠喩」は、直接喩(たとえ)を述べて表わす方法です。

英語では「a metaphor」「metaphorical」「metaphorically」で表されます

「諷兪・ふうゆ」は、遠回しにそれとなくさとすことです。

<関連語>

「寓意・ぐうい」は、他の物事に託して、ある意味を表すことです。

「寓意を込める」「寓意小説」のように使います。

「寓話・ぐうわ」は、動物などの話にかこつけて、教訓的な内容を表したものです。

「イソップ物語」などをいいます。

「直喩」の意味

「直喩」は、「直喩法」のことです。

修辞法の一つです。

「たとえば」「あたかも」「さながら」「如し」「ようだ」などの語を用いて、喩(たと)えるものと喩えられるものを直接比較して示す方法です。

比喩法の中で形式が最も簡単なものです。

「明兪」と同じ意味です。

反対語は「隠喩」「暗喩」です。

以下に直喩を用いた表現を表します。

堅きこと鉄のごとし 白魚のような指

その疾きこと風の如く、そのしずかなること林の如く、

侵掠(しんりゃく)すること火の如く、動かざること山のごとし

「隠喩」の意味

「隠喩」は、「隠喩法」のことです。

①ある物を別の者に例える語法です。

②修辞法の一つです。

「たとえば」「あたかも」「さながら」などの語を用いずに、直接喩(たとえ)を述べて表わす方法です。

「暗喩」と同じ方法です。

③修辞法の一つです。

ある物を表すのに、それと属性の類似するもので代置する方法です。

「換喩」と同じ方法です。

角帽で大学生を表すたぐいのことです。

以下に隠喩の例を挙げます。

「頭に霜を置く」によって「白髪」を意味します。

「玉の肌」によって「美しい肌」を意味します。

「氷の刃」によって「よく切れる刀」を意味します。

「諷兪・ふうゆ」の意味

「諷兪・ふうゆ」

遠回しにそれとなくさとすことです。

喩(たとえ)でそれと推察させる方法です。

太平記(39)に「詩人の賦せし諷兪の詞、げにもと思ひ知られけり」とあります。

修辞法の一つです。

わざと本義を隠して、ただ喩(たとえ)を用いて本義を推察させる技法です。

以下に諷兪の例を挙げます。

「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや」によって「小人に大人物の志が判るものか」という本義を推察させます。

「角を矯めて牛を殺す」によって「わずかな欠点を直そうとして全体を駄目にしてしまう」を推察させます。

「直喩」は 喩(たと)えるものと喩えられるものを直接比較して示す方法、「隠喩」は 直接喩(たとえ)を述べて表わす方法、「諷兪・ふうゆ」は、 遠回しにそれとなくさとすことです。

「直喩」「明兪」「隠喩」「暗喩」「諷兪・ふうゆ」は、類語です。

「寓意・ぐうい」「寓話・ぐうわ」は、これらの言葉の関連語です。

共通する意味は「比喩の種類」です。

「直喩」「明兪」は、「たとえば」「~のような」などの語を用いて、二つの物を直接比較する方法です。

「リンゴのような頬」のように使います。

「隠喩」「暗喩」は、「たとえば」「~のような」などの語を用いず二つの物を直接結び付ける方法です。

「海山の恩」「人生は旅だ」のように使います。

「諷兪・ふうゆ」は、喩(たとえ)などを使って遠回しに推察させたり、さとしたりすることです。

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