「貯める」は、特にお金などの財産になるようなものを一か所に、無駄にせずに蓄えることをいいます。
「溜める」は、水などの液体をむやみやたらに使わずに、そこにとどめておくことを指します。
「矯める」は、形のいびつなものを直して見た目をよくすること、そこから悪い習慣を直すことや片目をふさいで狙うさまを表すことがあります。
「貯める」とは
「貯める」とは、自分が持っているお金などの財産・資産を無駄にすることなく、次に使うときに備えるために蓄えることを指します。
「貯金」や「貯蓄」などは、この意味で用いられている言葉です。
また、「お小遣いを貯める」「へそくりを貯める」「目標金額を貯める」「ポイントを貯める」といった状況で「貯める」を使うことがあります。
「溜める」とは
「溜める」とは、時間をかけて同じところに水などを集めてとどまらせることを指します。
「バケツに水を溜める」「雨水を溜める」などのように使います。
また、対応すべきものを処置しないまま残してしまう、増やしてしまうことにも用いられ、「ごみを溜める」「借金を溜める」「税金の未払いを溜める」といったように言われます。
「矯める」とは
「矯める」とは、「矯正」の「矯」の訓読みです。
意味としては、不格好なもの、とりわけ曲がっているものをまっすぐに直して形を整えることです。
また、形の悪いものをしっかり成形するという意味もあります。
さらには、そこから悪い性質や習慣を直すという意味に発展しました。
「フォームを矯める」「悪癖を矯める」「角を矯めて牛を殺す」という形で使われます。
同じ「ためる」でも何をためるかによって異なる
「ためる」には漢字で複数の文字が当てはまり、それぞれ異なる意味を持ちます。
お金などの財産は「貯める」を使います。
「溜める」を使うこともありましたが、最近では液体をためるとき、また、家賃や税金、借金返済など、処理しなければならないものをためるときには「溜める」を使います。
形を直す、矯正するといった意味で用いる場合は、「矯める」を使います。