由来は「物事の初めと経緯のこと」。
「来歴」と言い換えると分かりやすい。
縁起は「神社・寺の創立当時からの歴史のこと」。
「歴史」と言い換えると分かりやすい。
由来や縁起は物の始まり、当時の経緯やその後の歴史などを表す言葉になります。
縁起は「縁あって生まれる」と言う仏教用語のため、特に神社や寺の起源のことを言うようになっています。
「由来」は物事の初めのこと
「由来」の「由」は「いわれ」の意味もあり、「由来」は「大元の事情や歴史」と言う意味になります。
例えば「言葉の由来を調べると興味深い」「いろいろな国の由来は様々だ」「道端にある祠の由来は何だろう」「地名には必ず由来となる出来事やいわれがあるものだ」「自分の住んでいる地名の由来は誇らしいものだ」などと使います。
「縁起」は仏教の言葉
「縁起」の「縁」は「万物が生まれる原因」と言う意味があり、「縁起」は「あるものが生じた経緯」と言う意味になります。
特にお寺の発祥からの歴史のことを指します。
もともと「縁起」は「他との関係が縁となり、すべてのものはお互いに関係しあい生まれる」と言う考え方になります。
「縁起が良い」「縁起が悪い」などとも使われています。
寺の「由来」を知るには「縁起」絵巻があると良く分かる。
「縁起絵巻」は国宝の「信貴山縁起絵巻」が有名です。
そのほか、多くの寺では「縁起絵巻」の形で「縁起」が語り継がれています。
寺の発祥・建立のこと、本尊のことなどが綺麗な絵と共に書かれています。
寺では発祥のことを「縁起」と言い、仏教の物事が生まれる原因と言う意味の「縁」から「縁起」と言う言葉を使っているのです。
「由来」と「縁起」は同じこと
「由来」は多くの物や事柄に関しての最初に生まれた経緯のことを指します。
すべてのものには存在する理由があるはずですから、当然由来もあるわけです。
「縁起」はその中でも神社・仏閣などに良く使われる言葉で、「縁起絵巻」が残されている場合が多くあります。
「縁起」は仏教の言葉で「縁あって生じた」ことを意味します。