洋服を買いに行った時に、最初に目に付くのがデザインと色です。
ただ、セーターやシャツならともかく、ジャケットやコートなどの場合は、着た時のサイズが重要になります。
そのサイズ表示の中に「着丈」と「身丈」があります。
正直なところ、着丈でも身丈でも着た感じがそれほど変わらないため、気にせずに買っています。
ただし、実際には着丈と身丈では体の測る場所が違います。
着丈とは
着丈とは、服を背中から見た際に、首の付け根中央から裾までの長さのことです。
例えば、Tシャツの場合は、首まわりの「リブ」の付け根から、裾の先までの長さになります。
コートなどフードや襟の付いた洋服の場合は、フードや襟は含めません。
着丈の「着」の文字は、「ものを集める」の象形からなり、「身に付ける」の意味があります。
「丈」の文字は、「棒を手にする」象形から成り、長さの単位を示します。
身丈とは
身丈の場合は服を前から見た際に、サイドネックポイント(肩の縫い目と襟首の交わる点)から裾までの長さを測ったものです。
つまり、測り始めのポイントが着丈と異なります。
測り始めがサイドネックポイントのため、通常は身丈の方が着丈より若干長くなります。
身丈の「身」の文字は、「人がみごもった」象形からなり、「衣服の胴体を覆う部分」の意味を含みます。
洋裁と和裁の違い
そもそも、洋裁には身丈という言葉がなく、洋服を作る際に使われるのは着丈だけでした。
身丈というのは元来、和裁で使う言葉です。
和裁でいう身丈はほぼ身長を表し、着丈は首の付け根からくるぶしまでの長さのことです。
和裁でしか使われなかった身丈が洋裁にも採り入れたことで複雑になりました。
ただ、洋裁で着丈と身丈を使い分ける理由は、前と後ろのデザインを検討するためです。
着丈と身丈の違い
着丈と身丈の根本的な違いは、測り始めのポイントが首の付け根中央か、それとも肩の縫い目と襟首の交わる点かということです。
身丈の方が体の上の方から測る分、長くなっています。
特に、胸の開くタンクトップの場合はかなり違ってきます。
ただ、洋服には身丈という概念が基本的にないため、一般的には使われません。
従って、単に丈と表示されていた場合は着丈のことです。