郷・キョウは「郷の漢音のこと」。
「郷里」と言い換えると分かりやすい。
郷・ゴウは「郷の慣用音のこと」。
「郷士」と言い換えると分かりやすい。
「郷」と言う漢字は「コウ」が呉音、「キョウ」が漢音、「ゴウ」が慣用音となっています。
呉音「コウ」は使われず、漢音と慣用音が使われています。
中でも漢音「キョウ」が一般的です。
「郷・キョウ」は漢音の発音のこと
「郷・キョウ」は漢音発音です。
用例、用法は「故郷の空、郷里は雪国、久しぶりの帰郷、同郷のよしみ、望郷の念」などがあります。
他にも「郷関、郷愁を感じる、郷土、水郷は水の里、在郷、離郷」などの言葉があります。
「理想郷」と言う言葉もあり、想像上の完全な世界、理想が実現する世界、ユートピアのことを言います。
「郷・ゴウ」は慣用音の発音のこと
「郷」を「郷・ゴウ」と読むのは慣用音のことです。
使用例は「在郷軍人、農業に従事した下級武士のことを郷士、郷に入れば郷に従え」などと使います。
昔は地域のことを「郷(ゴウ)」と言っていたので「~郷」と言う地名が残っています。
「郷に入れば郷に従え」と言うことわざは、新しい環境に入ったならば、今までの常識は忘れて、新しい環境のルールを尊重せよと言うことです。
「郷」の訓読み、その他
「郷」の訓読みは「さと」です。
「郷」の語源は「二人の人が食事をして向き合っている様子」から「向かう=心が向かう」となり「心が向く先=ふるさと」となったものと言われています。
また、「郷(さと)」は田舎、地方のことを言います。
似ている漢字の「里(さと)」と同じ意味で「郷里、村里、遊里」のことを言います。
「郷・キョウ」と「郷・ゴウ」とは
「郷・キョウ」は漢音発音のことです。
「郷」には呉音「コウ」がありますが使われません。
使用例は「故郷、郷里、帰郷、同郷、望郷」などがあります。
「郷・ゴウ」は慣用音で、使用例は「郷、在郷軍人、郷士」などがあります。
「郷に入れば郷に従え」と言うことわざがありますが、「新しい環境になったならその環境のしきたり、ルールに従った方が無難」と言う意味です。