行・アンは「行の唐音のこと。」
「行脚」と言い換えると分かりやすい。
行・ギョウは「行の呉音のこと」。
「行政」と言い換えると分かりやすい。
行・コウは「行の漢音のこと。」
「銀行」と言い換えると分かりやすい。
唐音、呉音、漢音が揃った漢字は大変に少なく、「行、子、頭、清、明」しかありません。
このうち「清、明」の唐音は中国の旧国名のみの使用です。
「行・アン」は唐音
「行・アン」は唐音ですがほとんど使われません。
「行燈・あんどん」と「行脚・あんぎゃ」「行火・あんか」があるぐらいです。
唐音は呉音や漢音の次に日本に入った中国語の読みで江戸時代に伝来しました。
「行燈」は宋音由来と言われています「行脚」は仏教由来といわれ弘法大師の四国お遍路も「行脚」と言われたと言います。
「行・ギョウ」は呉音
「行・ギョウ」は呉音です。
「ギョウ」を使った言葉は結構残っています。
例えば「行列、行書、修行、行者、行事、行間、改行、勤行、難行、苦行、行商、行水、行政」などがあり、「行政、行事、行列、修行」などは大変に良く使います。
漢音全盛の現代に、これだけ呉音の言葉が浸透し使われているのは珍しいかも知れません。
「行・コウ」は漢音
「行・コウ」は漢音です。
言葉としては「銀行、行員、通行証、行進曲、行程表、不言実行、行為、旅行記、雨天強行、挙行、執行役員、遂行、蛇行運転、素行、暴行、犯行」など多くのものがあります。
呉音の言葉よりは多いと思われます。
日常的に使われる言葉が多いように感じます。
「行」の訓読みは「いく、ゆく、おこなう」となります。
「行・アン」と「行・ギョウ」と「行・コウ」とは
「行・アン」は唐音で「行燈、行脚」など、「行・ギョウ」は呉音で「行列、行書、修行、行者、行事、行政」など、「行・コウ」は漢音で銀行、通行、行進、行程、実行、行為、旅行、強行、挙行」などがあります。
「行」は唐音、呉音、漢音が揃っている数少ない漢字の一つになります。
普段使う言葉には、やはり漢音が多く見られます。