「まして」は、「その場合でさえこうなのだから、それ以外の場合は言うまでもなく」という意味です。
英語では「much more」「much less」で表されます。
「否定」を意味する場合「much less」を使います。
「彼女は言葉遣いも知らないし、まして行儀など知るはずもない」は「She does not even know to speak properly, let alone how to behave. 」
「She doesn’t even know polite language, much less good manners. 」です。
「なおさら」は、物事の程度が、以前または他の場合より進むさまです。
英語では「all the more 」「still」「less」で表されます。
「否定」を意味する場合「still」「less」を使います。
「金を使ってしまったのは悪いが、嘘をついてごまかすのはなおさら悪い」は「It was wrong for you to have used the money, and it is still worse to lie about it. 」です。
「まして」の意味
「まして」は、程度の著しい例を先にあげ、「その場合でさえこうなのだから、それ以外の場合は言うまでもなく」という気持ちを表します。
「なおさら」「いわんや」と同じ意味です。
「増して」「況して」とあてる場合があります。
以下のように使います。
離れている所でさえうるさいのだから、まして近所は耐えられないだろう 音楽には興味はないし、まして楽譜など読めるはずがない
「なおさら」の意味
「なおさら」は、物事の程度が、以前または他の場合より進むさまです。
「ますます」「一段と」と同じ意味です。
「猶更」「尚更」とも書きます。
以下のように使います。
練習の時でさえあがってしまったのだから、本番ではなおさらだ ダメと言われるとなおさらやりたくなる
本人だけではなく、相手の両親まで喜んでくれてなおさらうれしい 早起きはつらい。
冬の朝はなおさら
「増」と「猶」の漢字
「増」
字義は「ます・ふえる」「ますます」「高い」です。
解字では、「土+曽」で構成されます。
「曽」の部分は「積み重なる」を表します。
これらにより「豊かに増す」を意味します。
「猶」
字義は「猿の一種」「ためらう」「大きい犬」「なお」「ゆったりしたさま」「はかりごと」です。
解字では、「?(犬)+酋」で構成されます。
「酋・しゅう」の部分は「古酒」を表します。
字義は「いけにえの犬と酒とを神に備えて神前ではかりごとをする」を表し「はかりごと」を意味します。
「まして」は 「その場合でさえこうなのだから、それ以外の場合は言うまでもなく」という意味、「なおさら」は、 物事の程度が、以前または他の場合より進むさまです。
「まして」「なおさら」は、類語です。
「いわんや」は、これらの言葉の関連語です。
共通する意味は「極端な場合でも成り立つことを示して、当該の場合がいうまでもないという意味を表す場合に用いる語」です。
「まして」は、その前に挙げられた場合でもこういう状態であるから、他の場合は言うまでもなくその状態がより強く現れるということを表します。
「まして」は、極端な場合との比較で、当該の程度の甚だしさを述べるのに対して、「なおさら」は、程度が高まったことだけを述べます。
「拍子が良ければなおさら素晴らしかったのに」のように、二つの例を必ずしも示しません。
「なおさら」は、後に挙げられた場合の方が、前の場合より程度がはなはだしいことを表します。